崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「首を斬られて拷問を受けた」

2015年04月27日 05時06分34秒 | 旅行
ほぼ毎週教会で会う顔が見えないので気なった。数人の方に追跡するように尋ねて、ようやく入院したことがわかった。しかし本人から迷惑をかけたくないので黙っていてほしいという。腰が痛いという話をしていたことは知っていたので、さっそく電話をかけたが不通。電話が来た。「首を斬られて拷問を受けた」(痛み)と第一声。手術後、大変な苦痛があったという。頚部を手術して一週間経ったという。家族だけが知っている徹底的な家族主義、親しい関係なのに連絡してくれなかったことに怒りながら慰めた。彼は熱心なクリスチャンで、よく「隣人愛」という言葉を語っていたのに、人に迷惑をかけないことが愛であろうか、「孤独なる愛」であるのか。
 日本に来て必要以上に多く聞く言葉が「迷惑をかけない」である。日本人の美徳であるという。煩わしくしなくトラブルが起きないようにはなると思う。しかしそれによって人間関係が繋がっていない。愛を持ってするなら迷惑なことはない。お互いに心温まるはずなのに如何にドライな社会であろうか。その日本が戦前広くアジアの国々を侵略し、占領し、植民地としたことは「大変な迷惑」ではなかったのだろうか。その反省であろうか、いま日本は世界へ平和的な貢献をしている。ネパールの大惨事に日本の奉仕団が出発した。消極的な「迷惑」から積極的な「人類愛」へ変わっていく。