崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「老益壮」

2015年04月03日 05時18分56秒 | 旅行
大学の経営者の一人の彼は大きい声で話す。その声は別に私向けだけの声ではない。しかし私には聞き取りやすい。その話の内容にも共感するところが多い。その一つが新聞配達の履歴である。彼も貧乏な時期に新聞配達をしたという。彼の大きい声に私の大きい声が合わさって騒音化してしまった。私は彼の時間厳粛、勤勉さを新聞配達とつなげてみていた。その繋がりが当たっているかどうかはわからない。しかし、彼の成長に関与したのは事実であろう。
 私は1950年代東亜日報を300部配達した。チョークで記しをつけながら道を覚えるだけで1週間以上かかり大変なことであった。それは高校1年生頃であった。大学を卒業して民俗学の研究者としてその新聞社経営の東亜放送にしばしば出演した。しかし1970年代民主化の弾圧によってその放送局は閉鎖されてしまった。
 昨日新入生の前で学部長のスピーチで大学生活は「修行」と思ってくださいといわれるのを聞いた。留学生が多くその意味がわかっているのだろうかと思い、ある留学生に理解しているかどうか聞いてみた。わかっていた。留学は彼らの人生に大きく影響するだろう。留学生の数だけではなく、質も高くなった。二人の中国人も留学、博士課程に入学となった。私が中心としている読書会はますます活発になるだろう。それこそ「老益壮」(老いてますます盛さかんなこと)と自賛したい。