崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

佳いお正月…새해 복 많이 받으세요!

2015年02月18日 05時19分25秒 | エッセイ
 宇部在住の韓国人の教え子から旧正月祝いの電話とお土産の話のすぐ後に韓国在住の日本人から「佳いお正月をお迎えください。새해복 많이 받으세요!」という挨拶に感動している。日韓の庶民生活のまったく異なる民俗がこの旧正月である。もう一つ大きいお土産は堀まどか氏の拙著へのコメントである。関西学院大の山路、ソウル漢陽大の平井、東亜大の鵜沢の諸先生のコメントにも感謝である。私的メールであり公開は控えるが堀まどか氏の書評は3月に「宇部日報」に掲載されるようである。その際公開することとして大いに期待している。ここでは若干メールの一部を紹介することを了承していただきたい。

 「性とナショナルアイデンティティー」というタイトルのほうが良い、と第一に思ったのでした。しかし、本当に面白い本です。この本の後半になると、大邱でくらしていてリアリティを強く感じるためか、茶房(タバン)文化などや貞操観念の歴史など、可笑して笑ってしまうようなところも、何か所もありました。わたしは、先生の純粋で素直で、きちんと自分の考えをおっしゃる姿勢が、全編を貫いていて、それは先生のもっている「少年」っぽさとも、繋がっていて…とても良い文学作品のように思いました。「少年らしさ」やピュアな情熱や関心をうしなっていく、オトナの狡猾さがみえてしまう人間が、大多数ですが、とりわけ、韓国では、軍隊経験を経て、生気や純粋さや正義感が屈折してしまうように見えますが…崔先生は、美しい少年性を維持している稀少な方なんだろうか、というのが…個人的な思いです。

 本の題は本自体の結論ではなく、本を手にするまでの導きにすぎないのであろう。