崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

北朝鮮からの引揚者たち

2008年03月31日 06時54分26秒 | エッセイ
 先日『北朝鮮からの生還』の著者の久木村氏から情報を得て、昨日雨の中佐世保で北朝鮮からの引揚者たちの「西海観音敬徳保存会」(会長石橋弘)の会員が全国から30人弱が集まって引揚げ途中の犠牲者たち、そこから引揚げることのできなかった犠牲者たちの慰霊祭が行われた。わが夫婦も参列して焼香をして、懇談会で貴重な証言を2時間半録画することができた。わが夫婦の懇談会への参加には私から趣旨を説明して全員の拍手で許可を得て傾聴することができた。去年朝鮮半島南部からの引揚者たちの証言とは異なって苦労と苦難の話が多く、語る人も聞く人も涙が伴う場面もあった。家内はその辛さが切なく満州から引揚げてきた亡き両親の話をもっと聞くべきだったのに。話したがらなかった気持ちが今解ったような気がするという。
 ある女性は「大勢の人が犠牲になったのに生き残ったのは不思議であり、それは運というか神の業であろう」と言った。それを聞いて私は朝鮮戦争や重病など多くの危機にさらされたが生き残っていることとあわせて感動するところが多かった。人生を考える良い機会であった。