永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

時代はポップだったけれど、今から見ると、なぜせつなくなるんだろう。

2013-03-01 10:37:06 | 日記・エッセイ・コラム
以前にこのブログで1970年代のデザイン本のことを書きましたが、今回はイラスト本のことを書いてみたいと思います。
所蔵するアート関係の本から、イギリスのイラストレーター、アラン・オルドリッジさん(アランさんはたしか現在70歳くらいになられると思います。60年後半から70年にかけて、ビートルズのレコードジャケットのイラストを描かれた方です。)が編集したもので、1969年発行された全世界のイラストレーターが描いた『ビートルズ・イラストレーテッド・ライリックス2』が出てきました。ぼくはライリックス1はお金が足りなく買いそびれて、このライリックス2しか持っていません。ほくが高校3年の時にアルバイトで溜たお金1,800円で買ったものです。当時の僕にはたいへん高価なものでした。
なぜ、この本を買ったかというと、やはり当時、ビートルズにいかれ狂っていたのと、学生だったぼくはアート系の道に進もうと決めていて、イラストの描けるデザイナーの職業につきたくて、(当時は地方都市では、まだイラストレーターという職業名は社会では馴染みはありませんでした。)外国のイラストレーターで、ロンドンのアラン・オルドリッジさん、ニューヨークのプッシュピンスタジオのミルトン・グレイザーさん、シーモア・クワストさんたちのポップな感覚のイラストが好きで、よく真似して描いていました。後にシーモア・クワストさんのNYのスタジオには1990年に訪れ、シーモアさんのアトリエでイラストやポスターを見せていただきました。今から思うと、よくアポを了解していただき会ってもらったものです。お土産にシ-モアさんがつくられたポスターを数点いただきました。
『ビートルズ・イラストレーテッド・ライリックス2』の表紙はアランさんのイラストで、今見てもポップで当時の時代感覚が伝わってきます。たぶん、イラストの技術はエアースプレーブラシによるものと思われます。製版印刷は今みたいにコンピューターで処理されたものではなく、インキの乗り加減もこってりしている感じと、アナログで郷愁ただよう印刷あがりになっています。この感じが今の時代から見ると、なぜかせつなく見えてくるのはなぜでしょうか。




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『ビートルズ・イラストレーテッド・ライリックス2』 
アラン・オルドリッジ編集&デザイン・英語発行/BPC出版(ロンドン)、日本語発行/誠文堂新光社・昭和46年発行







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