永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

町と人と温もりと。門司港。

2011-02-11 11:20:02 | 日記・エッセイ・コラム
門司港の錦町から庄司町、長谷、清見を歩くと昭和の面影を色濃く残した町並を見ることができます。たぶん家人が住んでいなく息をしていない家も見受けられます。町ぜんたいに時間が止まっているとした感があるのですが、けっして衰退しているというイメージではありません。町に住む人が昔ながらのそれも大正、昭和と代々から続く家を守っていることと小ぢんまりとした門司港の風情からくる街全体の造りからくるものです。
門司港の町には要所に歴史ある銭湯が数軒あったのですが、この数年の間に姿を消したところもあります。銭湯の建物はレンガや大理石で造られたものありました。ぼくはすごく気にいっていた旭湯さん、みどり湯さんも閉じられました。ここのふたつの銭湯のレンガ造り煙突は町のシンボル的ランドマークになっていて風格がありました。
ガラガラと音をたてそうなガラス引き戸のある日本家屋。家の奥から通りに家人の声が聴こえそうな棟つづきの家。そんな温もりのある門司港の町並。今の時代は流行で時代ごとに建物にも変化がありデザインが施されてつぎつぎに新しい町並がつくられていますが、忘れ去られてしまった日本の原風景が門司港には今も確かに息づいているような気がします。


Ring01

門司港東本町。〈C〉永野宏三・ひろみプロ