永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

思い出の港町。残像の港町。門司港。

2011-02-08 14:22:42 | 日記・エッセイ・コラム
先日数カ月ぶりに門司港の町に行き、用達しに時間があったので町をぶらぶらしたのですが、自分の頭の中の門司港の光景イメージはずうっと変わっていないと思っていたのですが、頭をフラッシュバックさせて遠い昔二十年前くらいの門司港を思い出してみたら、すっかり変わってしまっていたのに気づきました。西海岸の港はまだ埋め立ての工事が進められていたし、現在の観光地としてのレトロ地区と言われている船溜り周辺には観光施設はまだありませんでした。門司港駅横から関門渡船へ行くのに入口はビルの中を通って行くのがいかにも港町という感じで風情がありました。海岸にははしけがびっしりと隙間なく停泊していました。税務署近くにはスポーツニッポンの社屋がまだありました。明治屋の門司港支店の建物もありました。老松公園上の高台には風格あるYMCA幼稚園の建物もありました。めかりに通じていた引込み線鉄道には時折ディーゼルカーが走っていました。
二十年前くらいまでは町の通りにはギリシャ人やノルウエー人、フィリピン人、ロシア人などからの船乗りさんを見かけました。バーなどに入るとその船乗りさんたちの姿を見ることができました。今はもうすっかり見かけることはありません。栄町の裏通りには外国人専門のバーが2、3軒ありました。現在は韓国からの観光客の団体さんがレトロ地区を歩いてのをときどき見かけますが。外国人専用ノータックスの電気店が数軒ありましたが、こちらもすっかり姿を消しています。二十年前まではいわゆる国際港という風情を感じることができる町だったのです。
気になったので、現在の日本の貿易港としての門司港の輸出入量のランクを調べてみましたら、ほとんど中部下位置のランクになっていました。それだけ門司港の町に変化があっているわけです。相変わらず関門海峡を通過する外国船ラッシュだけに国際港の雰囲気を味わうことができるだけですね。


Dscf0001

港町の思い出。〈C〉永野宏三・ひろみプロ