小倉で原武史さんの講演「清張と宮中?『神々の乱心』の謎を解く」を聴く。文藝春秋四月号で原さんの執筆を読んでいたからさらにリアルにおもしろく聴く。昭和はよく激動の時代というけれど、昭和元年から昭和20年までの間は特に動乱の時代であったが、ぼくは生れていないからその時代の雰囲気は解らない。親からたいへんな時代だったとはよく聞かされた。平成はとうに平成元年から平成20年を経過している。昭和のその時代と平成のその時代をスライドしてみると、原さんの話しを聴いていて時代の現象や物事の動きが妙に似ている節がある。史実。どこまでが事実。時代歴史の言い伝えは受取り方と考察でどうにでもなるのか。作家や語り部はあらゆる資料から捜査して自分でイメージを膨らませ、資料の端はしを繋ぎ情報を新たに真実に近付けていくのだろう。