朝ご飯を終え久しぶりに雨が上がり休日なので、中断していた日課のウオーキングを再開する。新鮮な気持ちで町を眺めながら歩いたら、いつも暮している見慣れた町と思っていても、町は変化しているのに気づく。一ヶ月も経っていないのに道沿いにあった家が無くなって、急ごしらえの砂利を敷いた駐車場になっていたり、つい何日か前まで営業していた食べ物屋が閉じていたりと町の表情が変わっている。野坂昭如さんは氏と町との関りを『契り』と言う言葉で表現されている。なるほどと思う。自分の住んでいる家を中心に町で暮しを営んでいると、毎日が生活の繰り返しの連続で、平凡に当り前の日常と無意識に町を観ているが町は変化しているのだ。自分の暮す町での行動は目的地に、短い時間軸の日帰りで行けるし、用意周到と言う行動はあまりとらず無防備に、記憶に頼らず徘徊する。町の空気も音もからだに馴染んでいるし、これが町との『契り』というものかもしれならい。きょうも路地裏の散歩者となって町を歩く。