平成25年 6月
関東地方は例年より早く、5月末に梅雨入りしました。
曇りがちな日が続きますが、植物や農作物にとっては命の雨であり成長の時期であります。
園内の植物もホトトギスの声音とともに春から夏にかけて咲き変わっております。
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お参りに来園されたご家族が出雲大社で60年ぶりの遷宮(せんぐう)本殿遷座祭に赴きその時の土産話をして下さいました。
参道の脇の「因幡の白兎」の像に見入り撮影した画像も見せて下さいました。
~「因幡の白兎」~
出雲の国にだいこくさまという神様がいらっしゃいました。
その神様は大勢の兄弟があり、その中でもいちばん心の優しい神様でした。
兄弟の神様たちは因幡の国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに行こうと決められました。
だいこくさまは兄弟達の家来のように大きな袋を背負わされ、一番後から着いていくことになりました。
兄弟たちが因幡の国の気多の岬を通りかかったとき、体の皮を剥かれて泣いている一匹のうさぎを見つけました。
兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして、海水を浴びて風に当たるとよいと嘘をつきました。
うさぎは騙されていることも知らずに、言われるまま海に飛び込み、風当たりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどくヒリヒリ痛みだしました。
「私は隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に渡ってみたいと思って泳がないで渡る方法を思案しました。
するとそこにワニがきたので、私は彼らを利用しようと考えつきました。
私はワニに自分の仲間とどっちが多いかくらべっこしようと話をもちかけました。
ワニたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数える振りをしながら、向こうの岸まで渡っていきました。
しかし、もう少しというところで私はうまく騙せたことが嬉しくなって、つい、騙したことを言ってしまいワニを怒らせてしまいました。
その仕返しに私はワニに皮を剥かれてしまったのです。
それから、私が痛くて泣いていると先ほどここを通られた神様たちが、私に海に浸かって風で乾かすとよいとおっしゃったのでそうしたら前よりもっと痛くなったのです。」
だいこくさまはそれを聞いてそのうさぎに言いました。
可哀そうに、すぐに真水で体を洗い、それから蒲(かま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶといい。
そう言われたうさぎは今度は川に浸かり、集めた蒲の花の上に、静かに寝転びました。
そうするとうさぎの身体から毛が生えはじめ、すっかり元の白うさぎに戻りました。
そのあと、ずい分遅れてだいこくさまは因幡の国に着かれましたが、八上比売(やかみひめ)が選んだのは、だいこくさまでした。
おしまい。
文中に登場する「だいこくさま」は古事記に記された出雲神話の主神「大国主神(おおくにのぬしのかみ)」です。
また「わに」は「ワニザメ(獰猛なサメ)」と広く知れ渡っておりますが、地方や時代によってはウミヘビ、シャチ、
スッポン、はたまたトカゲや本物のワニだった・・等、様々な諸説があります。
第51号紙面
関東地方は例年より早く、5月末に梅雨入りしました。
曇りがちな日が続きますが、植物や農作物にとっては命の雨であり成長の時期であります。
園内の植物もホトトギスの声音とともに春から夏にかけて咲き変わっております。
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お参りに来園されたご家族が出雲大社で60年ぶりの遷宮(せんぐう)本殿遷座祭に赴きその時の土産話をして下さいました。
参道の脇の「因幡の白兎」の像に見入り撮影した画像も見せて下さいました。
~「因幡の白兎」~
出雲の国にだいこくさまという神様がいらっしゃいました。
その神様は大勢の兄弟があり、その中でもいちばん心の優しい神様でした。
兄弟の神様たちは因幡の国に八上比売(やかみひめ)という美しい姫がいるという噂を聞き、みんなで会いに行こうと決められました。
だいこくさまは兄弟達の家来のように大きな袋を背負わされ、一番後から着いていくことになりました。
兄弟たちが因幡の国の気多の岬を通りかかったとき、体の皮を剥かれて泣いている一匹のうさぎを見つけました。
兄弟たちはそのうさぎに意地悪をして、海水を浴びて風に当たるとよいと嘘をつきました。
うさぎは騙されていることも知らずに、言われるまま海に飛び込み、風当たりのよい丘の上で風に吹かれていました。
そうしていると海水が乾いて傷がもっとひどくヒリヒリ痛みだしました。
「私は隠岐の島に住んでいたのですが、一度この国に渡ってみたいと思って泳がないで渡る方法を思案しました。
するとそこにワニがきたので、私は彼らを利用しようと考えつきました。
私はワニに自分の仲間とどっちが多いかくらべっこしようと話をもちかけました。
ワニたちは私の言うとおりに背中を並べはじめて、私は数を数える振りをしながら、向こうの岸まで渡っていきました。
しかし、もう少しというところで私はうまく騙せたことが嬉しくなって、つい、騙したことを言ってしまいワニを怒らせてしまいました。
その仕返しに私はワニに皮を剥かれてしまったのです。
それから、私が痛くて泣いていると先ほどここを通られた神様たちが、私に海に浸かって風で乾かすとよいとおっしゃったのでそうしたら前よりもっと痛くなったのです。」
だいこくさまはそれを聞いてそのうさぎに言いました。
可哀そうに、すぐに真水で体を洗い、それから蒲(かま)の花を摘んできて、その上に寝転ぶといい。
そう言われたうさぎは今度は川に浸かり、集めた蒲の花の上に、静かに寝転びました。
そうするとうさぎの身体から毛が生えはじめ、すっかり元の白うさぎに戻りました。
そのあと、ずい分遅れてだいこくさまは因幡の国に着かれましたが、八上比売(やかみひめ)が選んだのは、だいこくさまでした。
おしまい。
文中に登場する「だいこくさま」は古事記に記された出雲神話の主神「大国主神(おおくにのぬしのかみ)」です。
また「わに」は「ワニザメ(獰猛なサメ)」と広く知れ渡っておりますが、地方や時代によってはウミヘビ、シャチ、
スッポン、はたまたトカゲや本物のワニだった・・等、様々な諸説があります。
第51号紙面
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