後
光源氏の君の生まれる前から、成人になるまでの宮廷の様子、
女御や帝に遣える人々のセレブになるための熾烈な闘いの記。
日本人の古来からの結婚観も面白い。
原点が「古事記」にあったとは。
「源氏物語に学ぶ人間学」 境野勝悟著 致知出版社
今、古今和歌集を勉強しながら、平安朝のおおらかさを感じているところだが、
男性主体の世になったのは、男性が経済力を持つようになってから。
だから、源氏の世は、まだまだ男女の仲も緩やかだった。
男女とも、相手に認められるため、書や和歌、舞や音曲、様々な教養を積んだのだ。
相手の心を慮った和歌に思いをはせて、優雅に生きていたのだが、
宮中での帝を取り巻く環境は女性にとっては厳しい。
これは「不倫の書」ではない。
生活そのものが、男女の戯れ事のように思えてならない。
兎に角、源氏物語は面白い。