◆フリーランスデザイナーの利点 (その①)
58:【デザイン相談室】第58発
こんにちは!
デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
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■デザイナーの「見える化」能力
フリーランスデザイナーと付き合うことによって得られる具体的な利点は大きく二つあると考えています。それは、デザイナーの「見える化」能力によるリスク回避とデザイナーのノウハウの蓄積です。
今回は、デザイナーの「見える化」能力によるリスク回避についてご説明します。
デザイナーの仕事の大半は、言葉を形に変えて「見える化」することです。
企画や設計の意図(ことば・コンセプト)を基にスケッチ(絵)を描いたり、手作りの試作(モックアップ=立体)を作って「見える化」するのが工業デザイナーの役割です。
企画段階の概念的な言葉のやり取りも、とても大切ですが、開発予算や期間が限られている商品開発の場合、なるべく早く最終的な商品の形状や仕様を確定させる必要があります。それには、最終的な商品をとにかく具体的に「見える化」してしまうのがもっとも効果的で即効性があります。
特に商品開発に慣れていない中小企業の場合、関係者の思惑ばかりが先行して、どこから手をつけていいのかわからなくなって、開発が頓挫してしまうことが往々にしてあります。
そのようなときに具体的なスケッチやモックアップで最終イメージを「見える化」できるデザイナーがいれば、開発遅延というリスクを回避することができます。
そして、中小企業の技術者はモックアックや図面さえあれば、どこに問題があり、何から手をつけなければならないかすぐに判断できる能力を備えていますので、スケッチやモックアップというデザイナーの「見える化」能力との相乗効果で様々なリスクを回避することができるはずです。
デザイナーの「見える化」能力はスケッチやモックアップといった具体的なものばかりではありません。
ターゲットや使用シーンを考えるときにも、詳細なターゲットユーザー像や使用環境をわかりやすく「見える化」することで、開発関係者の意識を統一することもできます。
関係者の意識がばらばらでお互い何を考えているかわからない状態では必ずトラブルが起きます。
スケッチやモックアップを作る前段階の、ターゲットや使用シーンを検討する企画段階においても、デザイナーの「見える化」能力は即効性があります。
もちろん、開発承認用の提案資料作成などの際にも、わかりやすく見栄えのいい資料を作成できるデザイナーの能力は有効です。
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