クリエイティブビジネス論!~焼け跡に光を灯そう~

元コピーライター・境 治が、焼け跡になりつつあるこの国のクリエイティブ業界で、新たな理念を模索するブログなのだ!

ソーシャルコミュニケーションとコンテンツ~it's gonna be alright!~

2010-12-31 16:21:50 | ソーシャルコンテンツ構想
クリエイティブビジネス論の2010年を振り返ってきたわけだけど、ブログを書いていてこれほど面白い一年間もなかった。

何が面白かったかと言うと、双方向のやり取りになったからだ。

もちろん去年までだってまったく一方通行だったわけではない。コメント欄を通して知りあった人もいるし、リアルで知っている人がブログを読んでくれて感想を語ってくれたりした。

だがしかし、Twitterの介在によっていままでとはまったく違う次元での双方向コミュニケーションがはじまった。感想をTwitter上でもらって、さらに別の人も加わってのやり取りになったとか、佐々木俊尚さんがこのブログについてつぶやいたもので、まったく新しい読者がどどーんと押し寄せたりとか。

そんな人たちと、リアルでお会いしたことも含めて、”ゆるゆるなコミュニティ”が現出し、勉強会を開く展開にまでなっていった(ホントにやるのかよ、おれ?)。

こうして経験した、新しい形のコミュニケーションは、コミュニケーションを仕事としていく上でも大きな刺激になり、ヒントがたくさんあった。それについて、「ソーシャルコミュニケーション構想」というカテゴリーを立てて連続して書いていくはずが、2回きりで終わっている。今年もっとも中途半端なテーマになっちゃったよ。

当然、来年はこのテーマをひとつの核に据えていきたい。ただ、大きな意味では書くことはすでに決まっている。それは、上に書いた経験をもとに整理していくことなんだ。

少し前の「そろそろ、広告の次の言葉が必要かもしれない」という記事の最後の方で、広告の媒体本位制度が崩れるだろう、と書いた。つまりは、ソーシャルコミュニケーションとは、媒体本位制度ではない手法ということだ。

これまで、コミュニケーションには必ずコストがかかった。そのほとんどは、媒体料だった。

ところが、ブログ活動を通して今年ぼくが理解したのは、媒体料を払わなくてもコミュニケーションは広がるぜ、ということだ。これはいままでだってものすごくパワーのあるブログを書けばなしえたことだし、そうした人々が”アルファブロガー”と呼ばれたわけだけど、そこまでじゃなくてもコミュニケーションが広がる、それを可能にしたのがソーシャルツールなのだ。

コストはかからない。でも必要な要素がある。それが、コンテンツだ。このブログで言えば、ぼくがこうしてだらだら話し言葉で書き飛ばす文章だ。このぼくの文章の価値というか魅力というかをエネルギーに、ささやかなコミュニティが現出したわけだ。

トリプルメディアマーケティングという考え方がある。自社メディアとソーシャルメディアとペイドメディアを組み合わせることが大事です、というものだ。

これに当てはめると、このブログで起こったのは、ペイドメディアは置いといて、自社メディア(=ブログ)とソーシャルメディア(=Twitter)を組み合わせた結果、ささやかなコミュニティができたかもね、ということだと言える。

トリプルメディアの中で、ペイドメディアを3つ目に並べるのはきちんと効果を得るためには正しいのだけど、自社メディアで波及力のあるコンテンツを配信する自信があるなら、そしてソーシャルメディア上で上手に振る舞って自社メディアに人々を呼び寄せるノウハウがあるなら、実はペイドメディアは要らなくなる。理論上はね。もちろん、企業活動としては”コンテンツの魅力”のような曖昧な要素には賭けられないからペイドメディアを使うべきだとなるわけだけど。

ただ、ここで言えるのは、ペイドメディアを使うにせよ、そこが考えるべき第一のポイントではないということだ。第一のポイントはコンテンツだ。まず何を伝えるのか、どう表現するのか、それが最初だ。それを決めた後で、今度はそれをソーシャル上でどう拡散していくか、どんなキャラクターで人々とやり取りするのか、それを考える。ペイドメディアはいちばん後だ。それも、ターゲットが棲息しているのはどんなコミュニティだろうか、どのサイトだろうか、そういうある種”ちまちま”した作業になる。

そういう作業をひとつひとつ”ちまちま”と積み上げていって、長い時間をかけて達成するのがこれからのコミュニケーションになるのだと思う。ちまちましてるかもしれないけど、そこでは媒体料よりも、コンテンツの魅力の方が重要になる。もっと言えば、伝える側の気持ちやエネルギーが大事になる。

”気持ち”とか”エネルギー”とか、そういう数値化不能な要素が出てきてしまうのが不思議であり、面白いと思う。テクノロジーが進んでコミュニケーションはもっと、ドライで数値化要素ばかりが重要になりそうなのに、意外にも人間味ベースの事柄が大事になってきている。

なんか、いいことな気がしてこない?これから、コンテンツ産業を支えてきた既存のモデルが崩れていくから、ぼくたちは大変になる。でも、いい感じの傾向が強くなっても来るみたいだ。

Don't you know it's gonna be alright?


ジョン・レノンって、いいフレーズいっぱい残してるね、まったく!

ということで、みなさん、2011年はAlright! な一年にしようぜ!

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (never)
2010-12-31 17:16:15
Alright!
Unknown (cotton_swab)
2010-12-31 18:24:04
It must be alright!
Unknown (hhoshiba)
2011-01-03 09:30:44
wisedom of crowds & Let it be!
ソーシャルと融合する企業コンテンツ (shige)
2011-01-08 10:11:29
境さん、多くの気付きありがとう!

そうなんだ、これからPAIDメディアを1番最後に考えれば良いんだね。

企業のブランディングもソーシャルメディアのコミュニケーションの中で育まれる様にすれば良い訳か・・

ならば”キティちゃん”の様なキャラクターアプリを優秀なクリエィターと一緒に開発し、
これを広報マンに仕立て、
WEBやケ‐タイのコミュニティで会話(Twitter)が日常的にすれば、
金がほとんどかからない寸法だ。

貴方が得意な分野がこれで拓けたではないですか!

従って大企業のやることは如何にして、人気キャラになれるかだけだ。

熱く理念や夢を語れるかだ。
孫さんみたいに!