デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

女が天皇になってはいけませんか?(その1)

2005-12-02 10:43:18 | 日本史

女が天皇になっては

いけませんか?




あなたはどう思いますか?
現在は男女同権の時代ですよね。

法律的には第2次大戦後、日本国憲法の名の下に男女同権ということになっています。
でもね、実際には男女同権というのは有名無実に近いんですよね。
このことは統計的にも証明されています。

つまり、OECDに加盟している先進国が二十数カ国ありますが、このうち管理職に占める女性の割合いが一番低いのが韓国なんですね。
下から2番目が日本です。
韓国は日本以上に儒教の影響が韓国文化の中に染み渡っています。
日本も戦前には“男尊女卑”という“思想”がありました。
これが今だに尾を引いているというわけです。

しかし、この前の衆議院選挙を見ても分かるように女性が政治の世界にかなり進出してきているのが分かります。
10年前と比べれば、管理職にも女性の占める割合が増えています。
しかし、上の統計から見ても分かるとおり、
欧米の先進諸国から比べてみると相変わらず女性の影が薄いんですよね。

僕は人生の半分以上を欧米で暮らしていますから、女性が社会に出て活躍しているのを見てきました。
グローバル化・国際化の影響で、日本でも今後女性がますます社会に進出してゆくだろうと思います。
これは皇室にも言えますよね。
ヨーロッパの皇室のほとんどが女性が帝位に就くことを認めています。

僕は8月9月10月と足掛け3ヶ月、日本に滞在しましたが、
その間にニュースで女性が天皇になれるように検討していると言うような事を聞いた覚えがあります。
しかし、まだ法律としては成立していないようですね。
男女同権は日本国憲法でも唱えている訳ですから女帝も認めるべきだと思いますね。

ネットで調べたら次のような記事に出くわしました。


小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長=吉川弘之・元東大学長)は(2005年10月)25日の第14回会合で、安定的な皇位継承を維持するため、男系男子に限っている皇位継承資格者を女性皇族に拡大することで一致した。

『ジオシティー掲示板』




この諮問を受けて政府が法制化するよう進めているようです。
よい事ですよ。

現在の皇室の基礎を作った藤原不比等は“女帝”を多いに作り出す事によって、
何が何でも藤原氏に都合のよい“天皇家”作ったという過去があります。
それから比べれば、日本国憲法に基づいて“男女同権”と言う理由で女性も天皇いに就(つ)けるようにする、という事はしごく当然な事だと思えますね。

ここで、藤原不比等がいかに無茶苦茶な事をして女帝を作り出したかと言う事をちょっと見てみたいと思います。
ここで再度繰り返し書くにはわけがあります。
“もう知っているからいいよ!”という人は、ここのところを飛ばしてくださいね。



上の系図を見てすぐに気づくことは、この後、何百年と続く天皇家と藤原氏の係わり合いの原型が、ここで作られたと言うことです。
つまり、藤原氏は、娘を天皇に嫁がせて、そのことを背景にして外戚として権力を維持してゆくというシステムを作りあげたわけです。


この系図から見てもすぐに分かるのですが、きわめて不自然なことをしています。
それはどういうことか?
継承順位がどうしてもおかしいのです。
おばあさんから孫への遺産相続が極めてまれであるように、結局この皇位継承は、日本史上最初で最後になりました。
おそらくこんなことは世界史にも例がないでしょう。

どういうことかというと、日本には天孫降臨の神話があります。
これは実は、祖母から孫への譲位を神話化したものです。
このような天皇位の譲位は、日本史を見ると、ただ一度あるのみです。
697年に、持統天皇が孫の軽皇子(かるのみこ)に彼女の位を譲り、文武天皇として即位させています。
これは古事記が成立する15年前の事です。

つまり、この事実を“神話化”して古事記に書いたんですね。

もっと不自然なことは、文武帝が亡くなった後、誰が皇位を継承したと思いますか?
なんと、彼の母親である阿閉(あべ)皇女が元明天皇として即位しています。

普通は、継承する、あるいは遺産相続をするという時には、何かを次の代へ引き渡すわけですが、
この場合には、息子から母親へ継承しているわけです。
遺産相続の場合を考えてみると、よく分かると思うのですが、子から親へ遺産相続することなど、常識では考えられません。

他に王位継承者がいないのならばまだ話はそれほど不自然ではありませんが、天武帝の息子たちがいるにもかかわらず、上の系図で見るような変則的な天皇位継承になっているわけです。
もちろん、このようなことが本人たちだけで、なされているわけではありません。
必ず、時の権力者の意思が絡んできます。
この場合には、天皇位が天武天皇系の他の息子たちへ渡ってしまうのを極力避けています。
持統天皇が、もうかたくなに自分の血が通っている者にだけ、皇位を渡そうと躍起になっています。
なぜか?
もちろん藤原不比等がそのように望んでいたからです。
つまり、自分の思い通りになる天皇家を作ったわけです。

しかし、今回の女帝擁立の動きは、むしろ望ましい事でしょうね。
政治権力とは関係がない。
男の子を産まねばならないと言うプレッシャーを雅子さんから取り除いてあげるという意味でも人道的なことだと思います。

Realogに書いた上の記事に対して【MAXコーヒー】さんから次のようなコメントをもらいました。



21/11/2005 6:50:22 PM Pacific Standard Time
(日本時間:11月22日午前1時50分)

Realogの【MAXコーヒー】さんから
【歴史馬鹿の僕にとって皇室は日本歴史博物館です。(その1)】へのコメントの投稿がありました

--コメントの内容--


初めまして=お邪魔します=

確かに、皇室というのは不可解なものです。
雅子さまについても大変遺憾に思っております。
別に反論するわけではございませんが、私は皇室は残し、男系を維持すべきだと考えております。
しかし、知識の浅い私には、この状況(男子が生まれない状況)をいかに対処すべきか検討もつきません。
側室を置くなんて絶対できませんし。

女系を認める皇室典範にはなるでしょう。
しかし、まだ方法が残っているなら、改正するまえに、模索する必要があると思っております。


当然の事ながら、いろいろな考え方があって良いと思いますよ。

でも、皇室を維持するために、皇族一人当たりに何億円という経費がかかっていますよね。
これはもちろん日本国民が納める税金でまかなわれています。
だから、もし、あなたが税金を納めているのなら、納税者としても無関心でいることは出来ない問題でしょうね。

僕の個人的な考え方を言えば、皇室は人道的にも財政的にも無くすべきだと思っています。
日本には国と県で合わせて累積財政赤字が700兆円もあるんですよ。
一人当たり赤ちゃんも含めて600万円の借金を背負っている事になりますよね。

皇族一人当たりに何億円も使う余裕が果たして日本にはあるのかどうか?

人道的な観点から考えたって、雅子さんは民間人として外務省に勤めていた方がよっぽど日本のため世界のためになったと思いますね。
プレッシャーを感じ、それが精神的障害にまでなっているということ事態が由々しき問題だと思います。
つまり、皇室のあるべき姿が時代から取り残されているように思います。

歴史的に見て、日本の皇室は英国の皇室と異なり、皇室独自の“意思”は持つ事を許されなかったんですよね。
それは、上の藤原不比等の事について述べたとおりです。
皇室は、皇室以外の人によって作られたに過ぎない。
つまり、日本の皇室は良い言葉で言えば“権力の象徴”、悪い言葉で言えば“お飾り”にすぎなかったのですね。

明治維新の時だって、権力の象徴として明治の元勲たちが天皇を担ぎ出したまでの事です。
皇室の“意思”で現在のような皇室を立ち上げたわけではありません。

だから、どういうことが言えるかといえば、皇室は日本の歴史とともに歩んでゆかなければならないということですよ。
現在の日本にとってもっとも理想的な皇室の形とは何か?

もはや“権力の象徴”ではないでしょう。
では“国民の象徴”か?
僕は“日本史の象徴”だと思っています。
だから、僕にとって“皇室”は「日本史」の“歴史博物館”なんです。
だから、皇室を現在的に残そうとするのなら、それがもっともふさわしい形だと僕は思います。
これはもちろん僕だけの考え方です。

このような僕の考え方を読んで吐き気を催す人が居るかもしれません。

でも、もっと国民の一人一人が考えてみるべきものだと思いますね。
人道的にも。。。
財政的にも。。。

今まで政府や国民がほったらかしにしておいたので
そのしわ寄せが雅子さんの“ストレス”になって現れている。
僕はそう思っています。

この記事を読んでくれたMAXコーヒーさんから、また次のコメントをもらいました。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 女が天皇になってはいけませ... | トップ | レンゲさんの『愛』と『心』... »

コメントを投稿

日本史」カテゴリの最新記事