血のつながり (PART 1)
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デンマンさん。。。 “血のつながり”ってぇ~、今日は家族の絆のお話でござ~♪~ますかア?
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そうです。。。 でも、特に家族という狭い間柄じゃなくて、親戚も含めての話ですよ。
そのような“血のつながり”を感じさせる出来事を デンマンさんは最近、体験なさったのでござ~ますか?
そうです。
あらっ。。。ぜひ、そのお話を伺いたいですわァ。
その前にちょっと次の話を読んで欲しいのですよ。
行方不明の父親
モナ・シンプソンは、5歳のころにいなくなった父親を捜していた。
マンハッタン在住の有名作家、ケン・オーレッタとニック・ピレッジの紹介で、探偵事務所を開いた元警官を紹介してもらう。 (略) しかし、手がかりも得られない。
次に頼んだのはカリフォルニアの私立探偵で、こちらは陸運局のデータからブドルファター・ジャンダーリがサクラメントにいることを突きとめてくれた。
シンプソンはこの成果をジョッブズに伝え、ふたりの父親であるはずの人物に会いに行こうと誘った。
だがジョッブズは会おうとしなかった。
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「父親らしいことはしてもらっていない。
だからといって含むところはない。
僕はこうして生きていられて幸せだからね。
でも、モナにもちゃんとしてあげなかったのは許せない。
彼は妹を捨てたんだ。」
ジョッブズ自身、リサを認知せずに捨て、そのころ、娘との関係を修復しようとしていたわけだが、だからといってジャンダーリに理解を示しはしなかった。
シンプソンはひとりでサクラメントに向かう。 (略)
父親は小さなレストランで働いていた。
娘が訪ねてきたのはうれしいようだが、奇妙に思うほど受けみな感じがした。
ウィスコンシンを出たあとは教職を辞め、レストランをはじめたこと、二度目の結婚は短く、年上の裕福な女性と結婚した三番目は長く続いたが子どもはいなかったことなどを聞く。
自分のことは話さないでくれと頼まれていたので、ジョッブズの話は出さなかった。
ところが父親のほうから、じつはシンプソンの前に男の子がいたとつぶやく。 (略)
シンプソンははっとしたが、なにも言わなかった。
ジャンダーリは、以前に経営していたレストランの話を始める。
ふたりが座っているサクラメントの小汚い店と違っていい店だったという。
サンノゼの北の方にある地中海料理のそのレストランを見せたかったとも言われた。
「あれはいい店だった。 テクノロジーの世界で成功した人がたくさん来ていたよ。 あのスティーブ・ジョッブズだってきたよ」
シンプソンの驚いた顔を見て、父親は、
「本当だよ。 よく来ていたよ。 いい人でね、チップもはずんでくれたよ」
と付け加える。
モナはスティーブ・ジョッブズはあなたの息子よ!と叫びそうになったが、あやういところで声を飲み込んだ。
父親との話が終わると、レストランにあった公衆電話からこっそりとジョッブズに連絡し、バークレーのエスプレッソローマカフェで会う約束を取り付ける。 (略)
ジョッブズはクリスアンのところから、小学校に通うようになったリサを連れて現れた。
夜10時近かったが、シンプソンは父親から聞いた話を語り始める。
サンノゼ近くのレストランの話は、当然ながら、ジョッブズも驚いた。
では、あの人物が血のつながった父親だったんだと思い出すことさえできた。
「あれには驚いた。 そのレストランには何回か行ったことがあって、オーナーのことも覚えている。
シリア人だった。 握手もしたよ」
それでもジョッブズは、父親に会おうとはしなかった。
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(395-397ページ)
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
『スティーブ・ジョッブズ I』
著者: ウォルター・アイザックソン 訳者: 井口耕二
2011年11月8日 第4刷発行
発行所: 株式会社 講談社
あらっ。。。 このお話はアップルコンピューターを立ち上げたスティーブ・ジョッブズさんのことではありませんかァ!
そうです。。。 つい最近、上の本をバンクーバー市立図書館で借りて読んだばかりなんですよ。
それで、上の箇所に感銘を受けたのでござ~ますかァ~?
そうなのですよ。 “血のつまがり”というのは不思議なものだと。。。
。。。どういうところがでござ~ますか?
上の話に出てくるモナ・シンプソンという女性はスティーブ・ジョッブズの実の妹なのですよ。 でも、二人は長い間会うことがなかった。
どうしてでござ~ますか?
スティーブ・ジョッブズは未婚の母の子供だった。 お母さんは当時大学院で勉強しているときだったか? あるいは卒業して間もないときだったか?。。。 とにかく、スティーブを育てるような状況ではなかった。
それで赤ちゃんのジョッブズさんはどうなったのですか?
だから、養子に出されてジョッブズ夫婦に育てられたのですよ。
その後、スティーブ・ジョッブズさんは妹さんとお母さんには会えたのでござ~ますかァ?
会えたのです。 上のエピソードにも書いてあるけれど、実の妹と産みの母親との関係は良好なのですよ。。。 でも、実のお父さんに対して、スティーブ・ジョッブズは“許せない”という気持ちを抱いていた。
どうして。。。?
だから、上のエピソードにも書いてあるように、“父親が妹を捨てた”と思っていた。
それで。。。デンマンさんは、どの部分に感銘を受けたのでござ~ますかァ~?
それにもかかわらず、二人は父親と実の息子だという関係を知らずに出会っている。
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「あれはいい店だった。 テクノロジーの世界で成功した人がたくさん来ていたよ。 あのスティーブ・ジョッブズだってきたよ」
シンプソンの驚いた顔を見て、父親は、
「本当だよ。 よく来ていたよ。 いい人でね、チップもはずんでくれたよ」
と付け加える。
モナはスティーブ・ジョッブズはあなたの息子よ!と叫びそうになったが、あやういところで声を飲み込んだ。
こうして実の父親と息子はお互いを知らずに出会っている。 でも、見知らぬ間でも“血のつながり”というものがあるのか? ふたりは決して悪い関係ではない。 むしろ、お互いに何か惹かれている関係を匂わせている。 だから、上のエピソードでスティーブ・ジョッブズは次のように語っている。
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サンノゼ近くのレストランの話は、当然ながら、ジョッブズも驚いた。
では、あの人物が血のつながった父親だったんだと思い出すことさえできた。
「あれには驚いた。 そのレストランには何回か行ったことがあって、オーナーのことも覚えている。
シリア人だった。 握手もしたよ」
お互いが何者かも知らずに会ったにもかかわらず、お互いに何か惹かれるものがあった。。。それが“血のつながり”だとデンマンさんは思うのでござ~ますか?
その通りですよ。 日本の諺に“袖触れ合うも他生の縁”というのがあるでしょう!
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こんにちは。ジューンです。
袖触れ合うも他生の縁
(そでふれあうもたしょうのえん)
聞いたことがあるでしょう?
なかなか味わいのある諺ですよね。
袖が触れ合うようなちょっとしたことも、
前世からの深い因縁によって
起こるものである、と言う事です。
わたしは、初め、“袖触れ合うも多少の縁”
だと思ったのですわ。うふふふふ。。。
つまり、袖が触れ合ったのは、
全く偶然ではなくて、少しは
そうなる運命にあったのよう。。。
私は、そのように思い込んでいたのです。
でも、「多少」じゃなく「他生」だと。。。
「他生」というのは「前世」の事だと、
デンマンさんに教わったのですわ。
調べてみたら、「他生」とは
「前世」と「来世」の事を言うのですって。
上の諺では、文脈から
「前世」となる訳ですよね。
この世の事は「今生(こんじょう)」と言うのです。
そう言えば「今生の別れ」と言う語句を
何度か耳にしたことがありました。
仏教の輪廻(りんね)と
関係のある諺なのでしょうね。
わたしは英語には、この諺は
無いと思っていたのですけれど、
調べてみたら、次のようなものがありましたわ。
A chance acquaintance
is a divine ordinance.
Even a chance meeting is
due to the karma in previous life.
つまり、「偶然の出会いは神の定め」
と言う事なのです。
多分、日本の諺を英訳したのでしょうね。
カナダでは耳にしたことがありませんわ。
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『軽井沢夫人@日本王国』より
(2014年3月28日)
つまりねぇ~、「偶然の出会いは神の定め」ということですよ。 それが別の言葉で言うなら“血のつながり”と言うのではないかと。。。
なるほどォ~。。。 それでぇ~、デンマンさんの最近、体験なさった“血のつながり”とはどのようなお話なのでござ~ますかァ?
ちょっと次のメールを読んでみてください。
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(前略)
たまたま母と話しをしていたら、“行田の伯母さん”、つまり、デンマンさんのお母さんが入院したという事を聞いたのです。
私が、「どのような人なの?」と尋ねたら、
母には、とても優しくしてくれた人だということで、とても感激して話していました。
デンマンさんに初めて電話した時に、偶然にも「お葬式まで準備していたのに、母親が奇跡的に助かって。。。」というお話を聞いて、なんだか私の心まで暖かくなるようなお話だと思いました。
デンマンさんのお母さんは 人に優しくしているので “神様”が奇跡を起こしたのではないだろうか?
私は、そんな風に考えることができました。
もともと子供の頃から、私は海外に行くことと語学に憧れを抱いていました。
それでも本当にやりたいことを自分から行動に移せず、甘えた環境でずっと生きてきた自分を、今になって改めて考えるようになりました。
やりたいことをやらないと、一生、この思いは引きずるんだろうな?
このような思いに捉(とら)われていた時に 母が“行田の伯母さん”の長男に デンマンさんという人がいて、20代でカナダに移住し、今でもカナダで暮らしているという話を初めて聞いたのです。
その時、私の中で一気に込み上げてくる思いがありました。
実際こうして、親戚の方と、海を越えて、何十年越しにコンタクトをとれるというのは、私にとって信じられないほど嬉しい事です。
デンマンさんの“愛の呉音”の記事を読んで、なんとなく“海外飛躍遺伝子”というものを素直に信じることができました。
(後略)
by まり
2014年3月25日 午後10時20分
『海外飛躍遺伝子』より
(2014年4月11日)
つまり、まりちゃんとの“出会い”にも“血のつながり”を感じたのでござ~ますか?
その通りですよ。
それで まりちゃんについての たくさんの記事を書いてしまったのでござ~ますか?
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■『ベーグルの夢』
■『べーグルの面白い話』
■『まりちゃんのベーグル』
■『腑に落ちる話』
■『まりちゃんの夢と希望』
■『フルトヴェングラーの愛』
■『まりちゃんの希望の翼』
■『Bagels@Grandville Island』
■『Matcha Bagels』
■『Scones and Puddings』
■『Lox and Bagels』
■『夢とベーグルとカナダ』
そうなのですよう。。。 うへへへへへ。。。 いけませんか?
どうでもいいけれど。。。 ちょっと書きすぎですわよう。。。
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(すぐ下のページへ続く)