▼57……夏のゆでダコ


東京都台東区浅草橋。

タコをモデルにして遊具や玩具を作ると
生きた姿を模しているはずなのに
どうしてゆでダコのように真っ赤なのだろう。

    撮影日: 07.7.25 1:14:28 PM
    RICOH Caplio R2

そして生きているのに真っ赤なタコは
どうしてねじり鉢巻きをしているのだろう…。

とはいえ、そんなことどうでもいいやと思える
ばかばかしく暑い夏には
真っ赤なねじり鉢巻きをしたタコが絡み合う姿が
意外に似合う気がするから不思議だ。

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▼56……夏の大売り出し


東京都台東区浅草橋。

小学生時代、プールで水泳の授業がある日に
「俺もう海パンはいてきちゃった」
と半ズボンの裾をめくってはいている海水パンツを見せてくれる友人がおり、
確かに人はプールや海で水泳をする日は
「(もう下に水着を着ちゃっておこうかな)」
などという弛んだ考え方をしてしまう。

    撮影日: 07.7.25 1:12:24 PM
    RICOH Caplio R2

ビル街の路地に海水浴用品が「大売り出し」と書かれて並んでいた。

海辺の街でもないので唐突に思えてびっくりしたのだけれど、
あまりに暑いのでぼんやり眺めていたら
海水パンツ姿になって買い物をして
「あ、すぐ使いますから空気抜かなくていいです」
などと言ったとしても
おかしくないような弛んだ気持ちになってきた。

実際にそんなことをしたら誰かが通報して交番に連行されるんだろうなぁ…
それにしても暑い。

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【阿部川町】

【阿部川町】

東京都台東区元浅草三丁目。

郷里静岡県の阿部川町から移住した人が住んでいたことによりかつてこの地には浅草阿部川町という地名があった。

RICOH Caplio R2

江戸の古地図を見て往時をしのびつつ静岡から移住した人々が暮らした浅草の街を実際に眺めると、歴史ある地名が消され、新しいビルが次々に建ってますます街がのっぺらぼうになっていくのに溜息をつく。

 

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【ラジオ体操と阿部川町】

【ラジオ体操と阿部川町】
 
 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2007年 7 月 25 日の日記再掲

東京都台東区元浅草三丁目。

元浅草などというのっぺらぼうな住居表示になってしまったけれど、この街にもかつては地域の歴史をちゃんととどめた美しい地名があった。

■台東区立菊屋橋公園にて。
RICOH Caplio R2

台東区立菊屋橋公園内に夏休みラジオ体操のポスターが貼られ、地域の方が旧町名を忘れずに入れておいてくれたので、ここが郷里静岡県ゆかりの街だったことがわかる。

■菊屋橋公園内に台東区が立てた解説板。
RICOH Caplio R2

菊屋橋公園の向かい側には孫三稲荷(まごぞういなり)があり隣接する集会所を阿部川会館といい、ここにもちゃんと地域の歴史が息づいている。

■孫三稲荷神社と阿部川会館
RICOH Caplio R2

この付近は、「御府内備考」によると、慶安年間(1648~52)、川村某が駿河国安倍川(現在、静岡市域を流れる河川)の鎮守「孫三稲荷」とともに駿河から当地へ移入してきたことから阿部川町と称していた。
孫三稲荷は、当地に伝わっている伝承によると、天正年間(1573~92)、徳川家康が、「孫三」と名乗る者に馬の轡(くつわ)をとらせ、安倍川を渡ったが、後にその孫三を探したところ該当者はなく、ただ安倍川の河辺に「孫三」の名を持つ祠があり、実はこの稲荷の化身であったという霊験から、天正18年(1590)、家康が関東入府の際、自ら命じてこの稲荷の神体ごと川村某の手により江戸にもたらされ、慶安年間当地へ移したという。この伝承は「御府内備考」と年代が異なるが、江戸初期には、地域の鎮護神として信仰を集めていたようである。
現在、静岡の孫三稲荷の所在は不明であり、当地も関東大震災、東京大空襲によって、記録や社殿を失ったが、昭和26年、当町会(阿部川町、菊屋橋町会)によって社殿が再建され、毎年3月8日に例祭が行われている。(台東区教育委員会の解説板より)

「大御所四百年祭公式ホームページ」によるとかつて静岡の阿部川町には上町・中町・旅籠町・新町・揚屋町の5町あって京都伏見から遊女を移した遊郭があり、家康没後江戸に重心が移って遊郭も衰退したため阿部川町内の3町を江戸に移したという。阿部川町内3町の移転といい、「此町地主ハ皆駿河国阿部川ヨリ移リシ故ナリ」(東京府志料)「本町の地主たる幕府小人皆駿州阿部川より移りたるものに由り名とすと云ふ」(東京案内)とある浅草阿部川町の成立(1696(元禄九)年)といい、この地域は郷里静岡との縁が深い。

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▼帰ってきた『たぬき食堂』

文京区本駒込。

かつて本郷通り沿いに昭和26年創業『たぬき食堂』という大衆食堂があった。
ご主人が亡くなられて店が閉じられ、
別れが切なくて弔辞まがいの日記を書いたことがあった。

2003年07月12日 土曜日
【さらば「たぬき食堂」】


    撮影日: 07.7.24 2:51:24 PM
    FUJIFILM FinePix Z2

このところ上記の記事に関するアクセスが一日に何件かあり
なぜなのだろうと思っていたが、昨日血圧の薬を貰いに行く途中
『たぬき食堂』が再開されていてびっくりした。

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▼55……おとなの街


台東区上野6丁目。

「おとなのおもちゃ」という言葉を初めて聞いたのは中学生時代だった。

「おとなのおもちゃ」と書かれた店がどういう物を扱っている店かがわかってからは
秋葉原駅前に「大人のデパート」などというビルができても
どういう物を扱っているか入ってみなくても想像がつくようになった。

    撮影日: 07.7.24 1:45:15 PM
    OLYMPUS E-410 LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5 ASPH

「おとなの」とか「大人の」とかを適当に頭につけただけで
いかにもいかがわしいのは「おとな」や「大人」の
いかがわしさが肥大した世の中になったせいなのだろう。
「おとなの学校」とか「おとなのアパート」と書いてみても
やっぱり妙にいかがわしい。

その一方で「おとなのふりかけ」とか「大人のカレー」とか
「おとなのポタージュ」などと書いても格別いかがわしく感じないのは
食べるという行為自体がそもそも
いかがわしさを内包しているからのような気がする。

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▼餃子屋のある街角

“大きくておなかがいっぱいになっちゃう”餃子屋から出て上野駅に向かう道。

上野アメ横界隈は種々雑多な人々を受け入れるために
街自体が包容力のある柔構造になっているので
どの道にも思い出がこびりつきやすい。


    撮影日: 07.7.24 1:44:36 PM
    OLYMPUS E-410 LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5 ASPH

人混みに入れば訛っていないのに訛りが懐かしく感じられたり、
列車が入ってくればどこかに故郷の香りをのせているように感じがちなのも
柔構造の街であるが故になせる技なのかもしれない。

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▼54……大当たりな街角


東京都台東区上野6丁目。
宝くじ売り場の壁面に
「この売り場から出ました!」
と書かれた札がべたべたと貼られた光景はよく目にするけれど
そういう中でもとびきりやかましい風景。

    撮影日: 07.7.24 1:34:41 PM
    OLYMPUS E-410 LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5 ASPH

視覚的にもやかましいけれど
春日通りを疾走する車の騒音と
ガード上を行き交う列車が立てる轟音もやかましさに拍車をかけ
思わず両目両耳を覆いたくなる。

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▼53……天幕の街


東京都台東区上野6丁目。
アメ横というのは線路沿いの道も
高架下のトンネルのような商店群も含めて
人生を旅する芸人たちが張る天幕のような空間になっている。

    【写真】アメ横高架下にて。
    撮影日: 07.7.24 1:41:01 PM
    OLYMPUS E-410 LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm F2.8-3.5 ASPH

天幕のような商いの空間はどんな種類の人間でも
足を踏み入れた途端にすっぽりと包み込んでしまうような
懐かしくもやるせない柔構造になっている。

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【高血圧との上手な付き合い方】

【高血圧との上手な付き合い方】

清水駅東西連絡通路に「高血圧との上手な付き合い方」という市民健康フォーラムのポスターが貼られており、高血圧であることと講演者が著書を装丁させていただいたことで面識のある管理栄養士の竹内富貴子さんなので聞きに行ってみようかなと思いデジカメでメモしておいた。

Canon PowerShot TX1

確か月末だったけれど 7 月だったか 8 月だったか気になり見直してみたらなんと 2 ヶ月近く前に終了したイベントのポスターが貼られていたのだった。

高血圧への警鐘を鳴らす効果が多少でも残っていたらもったいないという気配りからだろうか。

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【もったいないのダブルクオート】

【もったいないのダブルクオート】
 
 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2007年 7 月 23 日の日記再掲

郷里静岡県清水に帰省して商店街を歩くとあちらこちらに「”もったいない“は世界標準。」と書かれ、割り箸で BLUEDOT(地球)をひょいとつまんだ写真を添えた静岡市環境局のポスターが貼られている。

■静岡鉄道車内にて。
Canon PowerShot TX1

いんよう‐ふ【引用符】
文中で、他からの引用であることを示す符号。強調・解釈、また「いわゆる」などの意を表すのに用いる。和文では「」『』、欧文では“ ” ‘ ’などで、引用した語句を囲む。引用符号。クォーテーション‐マーク。(広辞苑第五版より)

どうしても気になって仕方がないのだけれど、なぜ

“もったいない”

ではなく

”もったいない“

なのだろう。

■ ”もったいない“のアップ。
Canon PowerShot TX1

世界標準ならシカゴルールによる記述記号のダブルクオート「“□”」が正しいと思うのだけれど、どうして左右を逆にしているのだろう?

ダブルクオートは国によって表記法が異なり、英語だと
「“”」イングリッシュダブルクオート
ポーランド語だと
「””」(ただし左の ” は下付)ポーリッシュダブルクオート
ドイツ語だと
「”“」(ただし左の ” は下付)ジャーマンダブルクオート
なのだけれど

「”もったいない“」

「”“」イングリッシュダブルクオートの左右逆転
を見るのは初めてなのでおどろいた。

もしかしたら自分の知らない用法があって今の世界標準からずれているのかもしれなくて、静岡市環境局が世界標準を意識して作ったポスターで「“”」が「”“」である理由がとても気になる。

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▼52……シュガーシュガー


7月23日。
早起きしたまだらボケでシュガーな義父が
「日曜日、日曜日、今日は日曜だちゃ」
と大声で昨日の新聞を読み上げる声で目が覚め、
こちらも寝ぼけていたので
「(良かった、今日は日曜日なのか…)」
と一瞬喜んで損をした。

    撮影日: 07.7.18 1:55:04 PM
    FUJIFILM FinePix Z2

文京区本郷。
靴屋の店頭というのは店内から靴が歩道にあふれ出ているものであり、
あふれ出ていることによって買おうかなと思わせる仕掛けなのだろう。

子どもの頃、靴屋の店頭からあふれ出ている靴を見て
母が急に僕の靴を見て思いついたように靴を新しくしようといい、
店頭で試し履きしてちょうど良い靴を見つけると
「あ、履かせていきますからこのままいいです、古い靴は捨ててください」
などと言うことが多く、今思うと何だか不思議だ。

余程ボロ靴を履いていたんだろうなぁと思うけれど
そういうボロ靴を他人に捨てて貰うのが
よく恥ずかしくなかったものだと思う。

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【何方(いずかた)より何方へ】

【何方(いずかた)より何方へ】
 
 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2007年 7 月 21 日の日記再掲

 

 知らず、生れ死ぬる人、何方(いずかた)より来たりて、何方へか去る。また知らず、仮の宿り、誰(た)が為にか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その主と栖(すみか)と、無常を争ふさま、いはばあさがほの露に異ならず。或は露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。或は花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕を待つ事なし。(鴨長明『方丈記』より)

1歳年下の女友だちの通夜と葬儀に行ってきた。

■静岡県清水原にて。出棺直後の庵原川橋上にて。
FUJIFILM FinePix Z2

もとの水にあらざるもの流れゆくといえども河は絶えず。
河絶えざるといえども、流れゆくものもとの水にあらず。
いのちの謎を問う人絶えずして、しかももとの人にあらず。

■静岡県清水原にて。告別式を終えて山の方に帰って行かれる人々。
FUJIFILM FinePix Z2

人の命の儚さを思い知らされ、人間にとって「私」とは何かという永遠の不思議に出会うたびに、こんなうたかたのような偽(にせ)方丈記を心の中で書いてみたりして、それらは心の淀みに浮び、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。

 

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【夏の別れ+】

【夏の別れ+】

ムクゲ、無窮花、ムグンファ、永久の花……
なぜか夏の別れの記憶にはムクゲの花が咲いており、市民病院に自転車を走らせる亡き母最後の見舞いとなった清水みなと祭り最終日の夏の朝、
「(今日も暑くなりそうだなぁ…)」
と空を見上げた旧久能道にもまたムクゲが咲いていたのを思い出す。

Canon PowerShot TX1

※今週末はブログ等の書き込みがおろそかになるかもしれませんがご無礼等がありましたらご寛容のほどよろしくお願い申し上げます。

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【台風と交通機関の乱れ】

【台風と交通機関の乱れ】

静岡県清水、7月15日。
墓参りを終えて車に戻りラジオをつけたら台風で不通になっていた東海道新幹線が運転再開したというので、実家に戻り駐車場に車を戻して帰京することにした。

北街道を走って天王交差点で信号待ちをしていたら前方から JR のバスがやって来て渋谷・新宿ライナー静岡号新静岡行きバスではないかと思う。

Canon PowerShot TX1

新宿西口高速バスターミナル 9 時 30 分発の 1 号新静岡駅行きが台風接近をものともせずに運行されたのかとちょっと意外だった。

台風接近で東名高速道路清水・富士間は由比付近で高波が押し寄せているため、たぶんこの時刻も含めてずっと不通だったのだけれど、
その区間だけ一般道を利用して高速バスは清水に辿り着いたのだろうか。
ご苦労様でした。

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