電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【海の朝飯】
(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2005 年 9 月 3 日の日記再掲)
実家の片づけ帰省をして清水で目覚めた朝、6 時に起床して可燃ゴミのゴミ出しをし、自転車に乗って東北東に走る。
10 分もペダルをこいだらそこから先へは行けず、岸壁に突き当たってその先は海である。
先週末の帰省時に『清水魚市場』と『河岸の市』に隣接して『河岸食堂どんぶり君』という店を見つけて気になったので行ってみた。
『清水魚市場』は東側、江尻船溜(えじりふなだまり)である海の方を向いている(と僕は思う)。海の恵みを商わせてもらっているので海に足を向けては寝られない気がし、魚市場のおもては海に向いていると思うのだ。
一方魚市場隣接の場外市場である『河岸の市』は店舗配置の構造上四方の外壁に店舗のお尻が向いている構造になっている。それでも JR 清水駅側から訪れた観光客には西側が施設の前側であるような気がするのか『河岸の市』に隣接した公衆トイレ脇にある『河岸食堂どんぶり君』の裏口を正面玄関と勘違いして入ろうか入るまいか二の足を踏む人がいるらしい。
Data:RICOH Caplio R1
江尻船溜に面した『清水魚市場』の正面岸壁を南に歩くと『河岸食堂どんぶり君』の正式玄関がある。実は『河岸食堂どんぶり君』以外にも昔から海に面した岸壁を正面玄関にして商売をしてきた店が何軒もあり今でもちゃんと商売をされていて、9 月 3 日の早朝にざっと見たところでは『河岸食堂どんぶり君』以外に 3 軒は朝飯を食べられる店があった。
『河岸食堂どんぶり君』に入ったとたん「おはようございます!」と声がかかり、「はい、何にしましょう」と言われて咄嗟に「刺身定食」と声が出る。
Data:RICOH Caplio R1
何を頼んでも味噌汁、冷奴、お新香、納豆は必ず付くらしく、向かい合わせたご夫婦の焼き肉やオムレツにもついつい目がいってしまう。
熱いお茶やお湯、冷たいお茶、コーヒー、酒やビールまでセルフサービスで飲めるようになっており、常連たちの動きをほれぼれと眺める。
ごちそうさまをして支払いを済ませ、玄関を出た先は海であり、朝の陽光をきらきらと反射する海がきれいだ。
【お疲れさま】
東京から清水まで車を運転して帰るのは、昨年母が愛犬イビと共に再び清水でひとり暮らしを始める際に送って来て以来、奇しくも丸一年振りとなる。
丸一年振りの長距離運転でどっと疲れ、地魚料理割烹『海蜻(かいせい)』に行き、母が先月他界したことの報告をし、生前お世話になった挨拶をし、ちょっと呑んで毎度おなじみの浜田町『かしのき亭』に立ち寄る。
DATA:Panasonic LUMIX DMC-FX8
浜田町交差点脇にある自販機を見たらオロナミンCもかなり疲れているようで、自分より疲れている奴を見たらかなり元気になり、心の中で
「お疲れさま」
と呟いて長いだらだら坂を上る。
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