【夜空の下で】

【夜空の下で】

新潟の友人が社員旅行で上京し、昼食後は自由行動とのことだったので上野駅で待ち合わせして浅草に出掛けてみた。

空の下にはみ出して、静かに降りてくる夜の闇に溶け込んでいくように酔える場所で飲みたかったからで、週末になると信濃川沿いにあるベンチに腰掛けテーブルにお弁当とワインを広げ、ご夫婦で屋外の食事を楽しんでいる新潟の友人にも相応しい気がしたからだ。

こうやって空の下にはみ出すようにして飲める場所が、自分が幼い頃はどこの町にもあって、郷里静岡県清水の飲食店街でも似たような風景を見た記憶があるけれど、「保健所の締め付けが厳しくて…」と愚痴をこぼしながら次々に消えていったのだ。

新潟市内にもかつては運河沿いにたくさんの屋台が店を出して、こういう心安らぐ飲食風景が見られたというが今は面影もないらしい。

親たちの介護が始まる前は、仕事のストレスがたまるたびにやってきた町。浅草に来るたびに、こういう場所が残っていて良かったと心から思う。

通称浅草ホッピー通りの空を月がゆっくり移動して行く。

( 2009 年 3 月に閉鎖した電脳六義園通信所 2008 年 6 月 15 日、14 年前の日記に加筆のうえ再掲載。)

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