猫のいる寺

2017年3月3日
僕の寄り道――猫のいる寺

学生時代から大好きな近所にある寺。昼休みに散歩するコースの一つになっているけれど、境内には庭師さんと猫が一匹いるかいないかという程度に、いつも静かな真言宗豊山派の古刹である。

寺というのは自分とは何か、時間とは何か、世界とは何かについて考えるのにふさわしいところなので、しっかり維持管理して清潔さと静けさを保っていることこそ良い寺の条件だと思う。そういう意味でずっと大好きな寺であり続けている。

昼休みだと庭師さんも休憩に入られて人の姿はなく、日当たりのよい本堂前で猫が一匹昼寝をしていたりする。猫もまた清潔で静かな寺が好きなのだろうかと思いながら本堂脇を見たら、猫の食器らしきものが洗って積み重ねられていた。

わがマンションでも野良猫への餌やりが問題になっている。餌やりをしたい気持ちは十分わかるけれど、やればやりっぱなし、不潔にしているから苦情が出るのだ。清潔で静かな餌やりもあるだろう。

出された食事についてくる沢庵漬けはひとひら食べずにとっておき、食器に湯をもらい沢庵を使ってきれいに洗い、お湯ごと沢庵も残さずいただき、きれいになった食器を棚に戻す。さすが寺の猫は躾(しつけ)が行き届いているなぁ……と思われるような行儀良い餌やりをしているから、檀家からも苦情が出ないのだろう。

感心して眺めていたらこの寺にはひと足早くもう春が来ている。


コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
den6様、初めまして (魚町の中年)
2017-03-03 21:55:52
魚町の中年と申します。文字通り、生粋の清水人です。
7年前に貴殿のブログを拝見して以来、ずっとコメントしようと思って今に至った次第でございます(苦笑)
私に関して、非常に驚くかもしれませんが、今は空き地となった生家の斜め向かいに住んでおりました。
恐らく、幼少期の私を見ていると思われます。(今は亡きden6様のお母さまは、幼少~青年期の私を存じています)

つい先日、清水に来られたのですね。
ここ最近、諸事情で実家に幾度も足を運んでいます。その際、床屋(さかえ)にも何度か話をする機会があり、
床屋のおばちゃんもden6様に会いたがっていましたよ!
それと、店内を見ると毎号送っておられる「季刊清水」も置いてあり、おばちゃんも気に入っているのが感じ取れました。

…唐突なコメントをして申し訳ありませんでした。
個人的に過去記事(清水目玉焼、まる子゛と清水など)が大変気に入っていますので、いつまでも消さずにおいて下さい。
 
 
 
びっくり ()
2017-03-04 09:21:57
うれしい書き込みをありがとうございます。
斜め向かいということであれこれ想像しています。
記憶の中でもかなり詳細にあの通りの記憶はあります。
未舗装だった頃も思い浮かびます。
床屋の栄子さんの話が聞けて嬉しく思います。
最近は残り少なくなった清水の親戚が
年寄りと病人ばかりになったことにより安否確認と、
元気な人たちの応援と交換に追われ
なかなか顔を見に行けずにいました。
いつか「清水目玉焼サイト」も設置者不在となって消滅してしまうので
コンテンツをまとめて電子書籍化する作業をしています。
出来上がったらさしあげますので
よろしければブログの自己紹介にあるアドレスまでメールください。
取り急ぎお礼まで。
 
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