カメと布団と啓蟄

2014年3月21日

カメと布団と啓蟄

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啓蟄とは大地が温まって虫たちが地中から這い出したくなる時候をいうが、まだ寒いとはいえ三月に入ると、暖房をつけていないヒトの寝室も温度が上がってだんだん寝相が悪くなり、寝ている布団の中に引っ込めていた手足が外に出るようになる。

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大地を布団に、手足を虫にたとえれば、春になってヒトの寝姿が乱れるのは啓蟄と似たような現象であるとも言えるけれど、格好から想像すると布団を甲羅がわりにしたカメに似ている。

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冬眠中のカメは手足だけでなく頭も甲羅の中へ引っ込めていると思われるが、ヒトはたいがい頭を布団の外に出して寝ており、ご丁寧に首から上がまな板のような枕の上にあって、そういうカメの姿を想像するとひどくおかしい。

03
ヒトがコタツから出られずにカメ化したコタツガメも広く知られているが、あれも暑くなった時に手足を出すだけでほとんど引っ込めており、やはり頭だけが常に外へ出ている。種としてあまりに無防備すぎるので、たぶん生き残ることはできないだろう。

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