goo blog サービス終了のお知らせ 

【竹輪の穴の哀しみ】

 【竹輪の穴の哀しみ】

なぜかは言葉にしないけれど林芙美子を読むときの哀しさが哀しい。「哀しさが哀しい」という循環論法から脱出しようとしない人間は哀しいのが好きなのだろう。

 最後の日なのに、 八汐は麦畑を降りて悄気(しょげ)て汚い家へ帰った。母親は弁当の中へ竹輪を入れて、固く新聞紙で包んでいるところだ。
「すぐ、迎えに行ってやるばい、体ば大事せんといかんぞ、アアン」
 夕方の汽車で八汐は鹿児島へ旅立って行くのだ。 

生活苦に耐えかねて幼い娘を鹿児島の親元に預ける母が、娘に車中で食べさせる弁当をつくっている。

 八汐は腹がへると、竹輪を摘まんでは出して食べる。握り飯の中には桃色のおぼろが這入っていた。だが、ふと、あの侘しい部屋の母親の姿を思い浮かべると、又、新しく悲しみの涙がつのり……(中略)……握り飯を食べていても、竹輪をたべていても、少しもおいしく咽喉を通らなかった。(林芙美子『耳輪のついた馬』)

2025年1月8日 本駒込5丁目

***

***

NEW
20 音オルガニートの穴あけ遊び


20 音オルガニートでお江戸日本橋 Oedo Nihonbashi
東京日本橋民謡

20 音オルガニートで金比羅船々 Konpira Fune Fune
香川県民謡

を公開。

***



2024年11月号(通巻24号)まで公開中

 

コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« 【想像力】 【身の置き所】 »
 
コメント(10/1 コメント投稿終了予定)
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。