電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
薄暮に薫る ? ろうばい
花の名を覚えると覚えた花ばかりが目につく。子どもと同じだ。
最近とみに人気があるのか、
文京区内でも街路脇の花壇に苗木が植えられているのを目にする。
ろうばい【蝋梅・臘梅】
ロウバイ科の落葉低木。中国の原産。高さ約3メートル。葉は卵形で両面ともざらつく。冬、葉に先だって香気のある花を開く。外側の花弁は黄色、内側のは暗紫色で、蝋細工のような光沢を有し、のち卵形の果実を結ぶ。観賞用。唐梅(からうめ)。南京梅。(広辞苑第五版より)
そばに寄ってみると合羽橋道具街の食品サンプルのように
本当に蝋で作ったような姿をしている。
鼻を近づけると何とも良い匂いがする。
東京都本駒込六丁目。
義父母の住まいのドアストッパーが壊れたので
白山通り沿いの金物店に買いに行った帰り、
民家の塀の中にろうばいが咲いていた。
塀の中の高い場所に咲いているので鼻を近づけるわけにはいかないが、
花の匂いを覚えると覚えただけで匂いが漂っているように感じてしまう。
それもまた子どもと同じだ。
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