階段怪談

 近所に石の階段があって、上りはともかく下りがちょっと怖い。二十年ほど前に越してきた頃はそうでもなかったけれど、歳をとったせいか足元がおぼつかない気がして、転げ落ちたらただ事では済まないと思うとちょっと足がすくむ。まさか、転げ落ちて命を落とした人の怨霊があたりを彷徨っているわけでもなさそうなのでちょっと調べてみた。

 階段の一段ごとに付けられた高さを蹴上げ寸法といい、足をのせる面の奥行きを踏み面(ふみづら)寸法という。階段の理想的な寸法というのは、

蹴上げ寸法×2+踏み面寸法=歩幅

となるのが好もしいらしい。歩幅の大雑把な計算法は、

身長×0.45 = 歩行時歩幅

なので、自分にとって理想的な階段とは

蹴上げ寸法×2+踏み面=歩幅約80cm(178cm×0.45)

となるわけだ。

 さっそく巻き尺を持って行って調べてみたら、左へ下るコンクリートの階段は

15cm×2+27cm=57cm

右へ下る大谷石の階段は

17cm×2+27cm=61cm

でどちらも80cmにはほど遠く、急な割に踏み面が小さい大のおとなにとっては基準以下の階段ということになる。

 こういう階段は、「怖い!」と注意書きしておかないと年寄りには危ない。

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