電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【安東の熊野神社】
【安東の熊野神社】
(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2008 年 7 月 30 日の日記再掲)
静岡県静岡市葵区安東。
東西に走る長谷通りと垂直に交わる小路の奥に、南の海の方を向いて建つ社があり、寄り道して鳥居の前まで行ってみたら熊野神社だった。
創建の年月は不詳であるが、和銅四年(西暦七一一年)の棟札が現存しているので今から一千二百・三百年以前には既にこの地に奉齋されていたことがわかる。
紀州の熊野那智大社に永正三年(一五〇六年)駿河国安東庄熊野宮造営木材取料散用状 永正九年安東熊野宮棟上料足散用状等の古文書が所蔵されているのをみると古来熊野三山との関わりが深かったことが推測される。
当神社は昔は相当大社であったという。駿河国新風土記には「この社古くは大社にして社人・社僧もあまたありしといふ」と記載されている。(熊野神社石碑の由緒書きより)
旧清水市にはには中之郷と村松と柏尾に、静岡市ではここ安東以外に音羽町、谷田、小坂、用宗城山町、安倍口新田にも熊野神社がある。
あとで調べたら、静岡で暮らしていた徳川慶喜が寄進したという木製の鳥居がかつて存在し、その廃材が境内に保管されているらしいが見損ねた。
そのかわり境内に御神木かどうかは知らないけれど根もとに巨大なうろのある大木があるのを見つけた。大人でも入り込んで胎内回帰が体験できそうな大穴であり、誰もがそういうありがたい穴のように思うのか古くから信仰の対象となっていたようで奉納物もあり、いかにも熊野らしい有り難みをあたりに発散していた。
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