電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
◉発生と進化
2018年9月22日
僕の寄り道――◉発生と進化
0 歳から 2 歳まで、子どもの育て方について保育者向けに書かれた本づくりの手間仕事を手伝っている。厄介な作業も多いけれど内容はとても面白い。母親の胎内に宿って産み落とされ、しだいにヒトになって行く過程は、二度童(にどわらべ)に戻って行った親たちの老いを逆回し映像で見るようでもある。ヒトの成長は生物進化の相似モデルであり、老いはその逆転モデルなのだろう。
読みかけている本に「朝起きるのは誰でも辛いものです」と書いてあって「ああふつうはそうか」と思う。親たちの在宅介護が終わってから朝が楽しく、起きるのが辛いと思うのは年に数回だけ、めざましをかけて起きなくてはならない通所介助をする妻のサポート時だけになった。そういう特異日以外は目覚ましなしで気持ちよく早起きしている。
妻はひたすら眠い人で、むりやり起こすと「ああ永遠に眠っていたい」などと身もふたもないことを言う。そういう人なので毎朝朝食準備をして叩き起こすと、水中から陸に上がって四つ足歩行を始め、ようやく二足歩行を始めた原人のような姿で起きてくる。
食事中も声かけをしないと箸を持つ手が止まり、話しかけても返事がボケている。朝はあまり複雑な話をしないようにし、どたばたした NHK の朝ドラをつけている。そうしているうちに 0 歳から 2 歳までの生育過程を辿って妻はヒトらしくなる。
(2018/09/22)
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コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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ヒトらしくなるのに時間がかかる!?
やはり高等動物かな~と思いながら拝読しましたが、
いや違う、奥様はお疲れなのだ!と
思い直しながらも爆笑しつつ読んでしまってます。