電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【踊り字】
2020年6月6日
【踊り字】
二年前の今日は関東地方が梅雨入りしている。今朝もややそんな気象状況に近い。
「や〻」と書いて「やや」と読み iOS では「おどりじ」と打ってやると「〻」が候補に出てくる。蘆花などの縦書き文に出てくる繰り返しをあらわす表記で、視覚的に「ちょいちょい」に近いように思われる。揺すり点ともいう。現代では「やや」と書き換えられることが多いけれど、縦書きでは「や〻」の方が踊るように生き生きして見える。
「〻」はそれだけでは意味を持たない記号だけれど、上に置かれる文字との関係においてひとまとまりになると、繰り返しのリズムを加える視覚効果的な意味を帯びているように見える。「屡」はそれ自体で「しばしば」、「各」はそれ自体で「おのおの」という〝意味〟を持つけれど、「しばしば」「おのおの」と〝読ませる〟ため「屡〻」「各〻」と書かれたのはそういうこともあるだろう。
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