電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【すごいな】
2019年12月24日
【すごいな】
図書館から借りた DVD の返却を忘れていたので朝一番で返しに行った。嫌味のひとつも言われそうな気がしたので
「すみません、返却日を1日過ぎてしまいました」
と言ったら
「あ、結構ですよ」
と言う。親切だ。
「すみません、返却日を1日過ぎてしまいました」
と言ったら
「あ、結構ですよ」
と言う。親切だ。
図書館前に植えられた綿の実がいくつか弾け、いくつかは硬く閉じたままでいる。弾けた実の中の綿は北風に吹かれて飛び去ってしまい、その一部が枯れ枝に引っかかっていたので、指で触れてみるとあたりまえだが柔らかい。かがみ込んで綿をいじっていたら後ろから
「おお、すごいな」
と声をかけられたので振り向いたら、若者が足早に歩み去っていく。どうもこころのかたちが定型でない青年に見える。
「おお、すごいな」
と声をかけられたので振り向いたら、若者が足早に歩み去っていく。どうもこころのかたちが定型でない青年に見える。
黒ずんだ実から純白の綿が出てくること自体がすごいことに共感したのか、すごいなあと思ってかがみ込んで見ているおじさんの驚きに共感してくれたのか、いずれにせよ他者に
「おお、すごいな」
という声かけができること自体、人間ってすごいなと思って気持ちのよい朝である。
「おお、すごいな」
という声かけができること自体、人間ってすごいなと思って気持ちのよい朝である。
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