3連休だった先週は、台風の心配もあって落ち着いた休みになりませんでした。ブログの更新も滞ってしまいまして・・・
この土日は天気も良く、過ごしやすい気候でのんびりしています。
そんな穏やかな日々のお伴にピッタリなのが本日の1枚。
『SING LIKE CHILDREN』
2014/10/8リリース
レーベル:setagaya chorus laboratory/SPACE SHOWER MUSIC
ディストリビューター:SPACE SHOWER NETWORKS
DQC-1362
彼らと初めて出会ったのは何時だっただろう。おそらくテレビ東京系でやってた“ソングラ”シリーズの番組でのこと。
当時、特にアカペラやコーラスものに興味があった訳ではない。しかし彼らには惹かれた。それは声が好みだったのと曲が良かったこと、それに尽きる。
その後だったのかな?メジャーデヴューして、それから4年くらいの音源は全部聴いた。ライヴも1回体験できた(このブログを始めて半年くらいした頃。記事も残ってます)。
プロデューサーや参加ミュージシャンが自分のツボだったし、作る曲のテイストが好きだった。カヴァーも多くやっているけど、解釈・アレンジのセンスが素晴らしくて大好きだった。
4人での活動期が終わって、暫くご無沙汰していた。それは純粋にタイミングの問題だった様に思う。彼らの音楽に対する姿勢も実力も疑いようのないモノだったのは解っていたから。
そうこうしているうちに、ニューアルバムリリースの報。子育てに忙しかった時期を支えてくれた歌声に懐かしさを感じ、思い出し、アルバムを予約していた。
一聴して思ったのは、実に“ぬくい”アルバムだなというコト。ココロをほんのりと温められている様な感触を覚える。
全部で9曲。短いリプリーズがあるので実質8曲。トータル40分にも満たないのに、この満足感は何なのだろう。楽曲の良さ、ヴォーカルの声質やコーラスの素晴らしさ、アレンジや演奏のクオリティ・・・色んなファクターが見事に噛み合って、何十年後も色褪せない魅力を湛えている。そう、ある意味スタンダード集の様。
アレンジャーは、前園直樹と新井俊也のユニット“冗談伯爵”や空気公団の窪田渡、櫻井映子、川嶋可能。参加ミュージシャンは、江草啓太(P)、朝倉真司(ds)、真船勝博(b)、石成正人(g)、佐々木久美(org)といった面々。実に味わい深い編曲と演奏が繰り広げられます。
2曲目の「favorite song」は新井俊也による打ち込みですが、後期ビートルズやトラフィックあるいはプログレやアートロックの匂いも感じるブリティッシュなテイストが実にカッコいい。
そして個人的に大好き過ぎるのが、窪田氏アレンジの7曲目「ミュージック」。ピアノとギターのイントロはアーシーで力強く、エレピは柔らかく温もりを加え、山下達郎のバックでお馴染みの佐々木久美さんのオルガンがもう気持ち良すぎる。加えて、最後のコーラス部分の高揚感ったらない。この曲、ザ・バンドの『ラストワルツ』における「アイ・シャル・ビー・リリースト」と同じ匂いを持ってる、と言ったら言い過ぎでしょうか?それくらいの名曲だと思っているのです。
「すてきなミュージック」「favorite song」「ペシミストノラヴソング」「Sing like children」「ミュージック」・・・・・曲タイトルを並べてみると音楽や歌や唄うことに関するワードが満載。彼らの音楽や歌に対する矜持が伝わってくる様です。
彼らの曲は、コーラスやハーモニーも素晴らしいのですが、それ以上にポップスとして優れたメロディと良いアレンジを施すセンスが素晴らしいのです。重住ひろこという作曲家の才能を味わう、というのもアルバムの醍醐味かと思います。“レジーのブログ”でレジーさんも触れられていましたが、過去のアルバムにはシティポップテイストが強いモノも多いので、興味がある方は是非。
グルーヴィなアーバンポップもまた聴かせてくれると嬉しいなと思います。