日本グルーヴチューン振興会

2007マイベスト:企画編

恒例のマイベスト選定ですが、いつもは当年の1月~12月発売の作品を対象にしていました。来年以降は前年12月~当年11月発売の作品から選ぶ様に変更しますので、今年だけ1月~11月の作品から選ぶという変則型になります。

さて、ホントにこの年の瀬になるまで手がつけられなかったので(苦笑)、荒い文章になるかと思いますが、ご勘弁ください。

今年、印象に残った作品のうち、オリジナルアルバムの範疇からはみ出すモノ(ベスト、ライヴ、オムニバス、カヴァー、トリビュートなど)をリストアップします。

★『わたしのうた』畠山美由紀 with ASA-CHANG&ブルーハッツ
Watasinouta
まず、今年怒涛のようにリリースされ続けたカヴァーアルバム中、最も私が心惹かれた1枚。
まず、何よりも畠山美由紀さんのヴォーカルが非常に表情豊かで心地いい。凛としていながら、リラックスして楽しそうに歌っている。
ブルーハッツの演奏がまた見事なモノでした。ビッグバンドとしての魅力を最大限に発揮しつつ、ヴォーカルの力を120%引き出す繊細な一面も覗かせる。
ビゼーから美空ひばり、ジャズスタンダード、唱歌に至るまで幅広く選曲されているののですが、その全てが違和感無く1枚のアルバムに収まるのも、美由紀さんの歌の力があるからでしょう。

★『筒美京平トリビュート the popular music』
Kyoheitsutsumi
今年のトリビュート作品の中では個人的ナンバーワンです。
カヴァーするアーティストの人選に多少の難はあれど(苦笑)、選曲は完璧。アレンジやバックミュージシャンも非常にクォリティが高く、日本のポップスを築き上げてきた京平センセの偉大さが感じられる1枚となっております。
センセの偉大さを知ってもらう為に、このアルバムの歌詞カード冒頭に書かれたエピソードを紹介しようかな。
プロデューサーから、歌い手の声域をはみ出すメロディを指摘されたセンセが言った「そりゃ書き直しますよ。歌い手がいなきゃ作曲家は世に出られないじゃない。歌ってくれなきゃ作曲しても意味ないでしょう。」という言葉は、職業作曲家としての心構えを示す道標でしょう。そして、大御所の京平センセに気を遣ったプロデューサーが、レッスンすれば歌える様になるかも・・・・と言った際に返した「レッスンしなきゃ歌えないメロディじゃダメさ。」という言葉には、作曲家としてのプライドが溢れている。
このエピソードを聞いて、京平センセを更に尊敬したのは言うまでもありません・・・

★『堂島孝平楽団デビュー』堂島孝平楽団
Doujima
今年のベストライヴアルバム。
こんなに楽しくて華やかでワクワクするライヴアルバムは滅多に無いと思います。
実際にその場にいるかの様な臨場感と躍動感。プレイヤーの熱気が伝わる1枚。
そして、何よりも堂島孝平が書く曲ってイイなぁ~って改めて感じられた。
「涙をとめろ」から「45℃」までの4曲の流れと勢いは圧巻です。ヒックスビルの3人もイイ仕事してます。
ただ、DVDで見てみたいって欲望は覚めず。だって、ホーンが女性ばっかなんだよ(爆)

★『I LOVE YOU  25th Anniversary of Yasuhiro Abe』安部恭弘
Iloveyou
今年も、大量にベスト盤を買いましたが、ココに書いておくべきだと思ったのはこのCDでした(これだけは2007年12月リリースの作品です)
シティポップを語る上で外せない存在、安部恭弘のデヴュー25周年記念作品。
50曲に及ぶベストで、レーベルの枠を超えて収録された作品には、デモやライヴでのメドレーなどレアトラックも満載。DVDも付いた4枚組です。
竹内まりやの3rdアルバムに提供された名曲「五線紙」の新録セルフカヴァーが最後に収められていますが、佐橋佳幸のアレンジ&まりやさんのバックコーラス!という贅沢っぷり。
まさにお宝といえるベストなのです。

★『UPPER'S FLAVA Remixes Of Watanabe Hit Tune』
Upper
2007、最高にカッコよかったリミックスアルバムだと思います。
ナベプロという事務所が、ジャパニーズポップス史に残したモノは偉大だったなぁと感じられる楽曲群。そして、ソレをリミックスするリミキサーのセンスの良さ。
過去と現在を融合させ、未来に繋ぐ好企画(笑)
ファンタスティック・プラスティック・マシーンがマッシュアップリミックスした「ドリフの早口ことば」は、ドリフターズが実にミュージシャン的発想を持ったコメディアンだったコトを再確認させてくれる作品でした。

他に、印象に残ったモノとしては・・・

★『COVER ALL HO!』山崎まさよし
★『COVER ALL YO!』山崎まさよし
★『LOVE SONGS』宮川愛
★『Our Favourite Pop』paris match
★『TOKI ASAKO REMIXIES WEEKEND SHUFFLE』土岐麻子
★『BIRDSONG EP-cover BEATS for the party-』bird

といった辺りでしょうか。

山崎まさよしのカヴァーアルバムは、邦楽より洋楽の方が好みでした。
邦楽は選曲的に、ちょっと(苦笑)
でも「いかれたBaby」にはヤラれた。この1曲が、ココに書かせる原動力になった(笑)
洋楽の方は、選曲もアレンジも素晴らしかった。特に、スティービーやオーティス、ビル・ウィザースやジャミロクワイといったグルーヴ系は、私にとっての山崎まさよしの好きなトコが良く出てた(^^♪

宮川愛のカヴァーアルバムは、この若手シンガーの凄さを思い知る1枚だった。生半可な実力では到底手が出せない楽曲(スピッツ・尾崎豊・平井堅・久保田利伸・山崎まさよし・山下達郎・オフコース・オリジナルラヴ)に対して、真っ向から勝負を挑む姿勢にホレなおした(笑)

パリスマッチの洋楽カヴァーアルバムは、持ち味を十二分に生かし切った好盤。あくまでもスタイリッシュにグルーヴィに名曲を料理しています。ミズノマリさんのヴォーカルって、ホントに心地良いです。

土岐さんのは、昨年のベストカヴァーにも選んだ『WEEKEND SHUFFLE』に収録された曲のリミックス集。中田ヤスタカや中塚武、indigo jam unitといった気鋭のクリエイターがリミックスしているのですが、どう調理しても土岐麻子の声が勝つ(笑)
逆に言えば、この声があるからリミックスされたモノがちゃんと解るというか・・・

最後はbirdのカヴァー集。これは組み合わせの妙を楽しむ1枚。田島貴男と組んだ「恋はあせらず」や、マボロシと組んだ「ロクサーヌ」、YOUR SONG IS GOODで「クラブトロピカーナ」、FreeTEMPOで「月の裏で会いましょう」、□□□(クチロロ)で「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」・・・・曲とプロデュース陣が意表をつく(笑)

という訳で、ダラダラと書いてきましたが(苦笑)
今年も楽しい企画が多かったなぁ・・・という捻りの無い感想になっちゃいますね♪


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