国の地震調査研究推進本部(文部科学省)は12日、4月の地震活動評価公表の際、8日に発生した茨城県沖地震(M7)を2002年に評価し予測した地震とほぼ断定した。
首都直下地震(M7程度)と違い、10年以内の発生確率50%、30年以内では90%と高く、発生間隔が平均15.5年と前回の地震活動からすでに26年が経過していたことから注目されていた。なお、首都直下地震は10年以内30%、30年以内70%の確率であるが、特定の地震によるポアソン過程での計算と規模(M6.7からM7.2)に幅があることから、次に起こる地震の発生時期、規模の評価に様々な異論があるようだ。
<地震調査研究推進本部 公表文抜粋>
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/08may/index.htm
5月8日に茨城県沖でM7.0の地震が発生した。発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。この地震により、宮城県と福島県の沿岸で微弱な津波が観測された。
5月7日夕方頃からM4~5の地震が発生しており、この地震の約40分前にもM6.4、約30分前にはM6.3の地震が発生し、M7.0の地震発生直後はM5クラスを含む余震活動が一時やや活発になった。現時点ではM4クラスの余震は時々発生しているが、全体的には余震活動は低下してきている。
GPS観測結果によると、今回の地震に伴い、関東地方の広い範囲でわずかながら地殻変動が観測された。
震源過程の解析結果から、今回のM7.0の地震と1982年のM7.0の地震の破壊領域はほぼ一致する。
この地域では地震活動が活発であり、1940年以降、1943年、1961年、1965年、1982年にM6.7~M7.0のプレート間地震が4回発生しており、今回もほぼ同じ領域で発生した。今回の地震は震源位置、発震機構、マグニチュードの大きさなどから、地震調査委員会が想定していた茨城県沖のプレート間地震(想定M6.8程度)であると考えられる。
なお、地震調査委員会が平成14年7月31日に公表した長期評価では、平均発生頻度は15.5年に一回程度であり、M6.8程度の地震が10年以内に発生する確率は50%程度、20年以内で70%程度、30年以内で90%程度(ポアソン過程)であった。