森中定治ブログ「次世代に贈る社会」

人間のこと,社会のこと,未来のこと,いろいろと考えたことを書きます

対論!人類は原発をどうするのか?御礼と頂いたコメントについて

2014-05-05 11:43:36 | 原発・エネルギー

4月12日に開催された市民シンポジウム「対論!人類は原発をどうするのか?」は650名近いご参加を頂きました.有り難うございました.終了後沢山のコメントを頂きました.頂いたコメントのほとんどが感動した,真の対論を見たというものでした.

例えば,以下の通りです.

>人間の知恵が分断され対立している限り、永遠に平和が来ないので、森中さんのシンポジウムのときのような立場で問題を考えていかないとあかんなあと思います。先入観、偏見、差別意識(富や価値観による優越感)が人類としての知恵の結合/創造を妨げています。

>コメントでも述べられていましたように、賛成意見、反対意見、中間意見に自民党政治家まで巻き込んでの”対論”はなかなか良い企画で成功でしたね。会場には一見やみくもに反対のために反対を叫びそうな雰囲気の方たちも居たように思います(全くの偏見です)が、小出先生、森中先生はじめ飯野、後藤両コメンテーターや秋本、小山、木下、鈴木、須永、山脇、吉岡各ゲストの先生方の話が心に響いたのではと合点しております。

>近年にない”ビッグシンポ”でした。

>トリウム炉の技術的是非を問うことに終始するのではないかと非常に心配していました。実際には「ポジション・トーク」が実践され、脱原発であろうとトリウム炉推進であろうと、次世代に引き継ぐ未来をよいものにしたい、という熱意が共通していることを知り、一安心しました。

>生物地理学についても、トリウム溶融塩炉についても、詳しいお話しをうかがったのは初めてでしたので、大変勉強になりました。また、「学問と市民の接点を作る」「異分野間での研究交流を深める」という主旨にもたいへん共感いたしました。今回のシンポジウムの内容を自分なりに消化して、知り合いにも伝えたいと思います。

>対論、対話がいかに大事であり、社会のすみずみまで日常的に行われるように、日頃の実践を通して取り組んで行きたいと改めて思いました。 

頂いたコメントがあまりに偏っているので,私は以下のように考えました.

賛成派と反対派が聴衆の目に見える形での対決のあるシンポジウムはいままでも開催された.多くの人はそれに出てどんなものかそれなりに身に感じた.私もそういう対論の場には聴衆として参加し,私なりに印象をもっています.

その印象がよくないのです.言葉ばかり丁寧ではあるけれども,相手の主張の肝心のポイントはスルーし,それに答えない.相手もそれを見過ごしそのまま放っておく.そして自分の言いたいことだけ強調する.こういった感じの不毛な場になった事が多かったと思います.

おそらく多くの人も私と同じだと思います.だから,今回のシンポジウムのやり方に,感動を受けたというメールばかり来たのだと私は思いました.結局日本人というのは,言葉による真の議論が困難なのではないかと思います.であれば.それに代えてそれに近づけるような工夫が必要です.今回はやり方が的を得たのではないかと思っています.また機会があれば,やってみたいと思います.

この市民シンポジウムでは,プルトニウムは核爆弾にするには最低8kgいるけれども,100gでも可能であること,ハイテクのミサイル技術なども不要で,プルトニウムをもし1-10ミクロンの微粉末にして銀座や新宿の上空で撒けば,核爆弾が炸裂したのと同じ心理効果を及ぼすだろうと述べ,プルトニウムを産み出す者は”人類の敵”であり1日も早くこの世から消滅させるべきであると主張しました.人類は,戦争を止めるときが来ているのです.この私の考え方の基になっているのが,拙著『プルトニウム消滅! 脱原発の新思考』です.この内容を原点にして,今回の市民シンポジウムでお話しさせて頂きました.

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (出口英昭)
2014-05-27 18:40:03
火力発電に比べ、原発は安いと言うマジック、経済的にはこちらの方が良い、温暖化防止にも良いと言われていますが、本当に安いのかLCAから廃棄処理まで含めてきちんと説明してください。主張する立場の違いで数値が異なって来るので、何が正しいのかよく判りません。
シンポジウム感想 (牧子嘉丸)
2014-05-27 19:49:59
拝啓。先日の対論はなかなか有意義な会でした。
 しかし、ひとつ苦言があります。森中さんがあまりにも自著の宣伝をしすぎることです。何かの発言につけて「そこで売っています」等というたびに、苦笑がおこりました。自分の本の宣伝か、と思われてはいけません。そこは自重なさった方がよいのでは。小出さんはそんなこと一言もおっしゃいませんでしたよ。
Unknown (森中定治)
2014-05-29 21:04:00
出口英昭様
私は原発の価格が火力発電に比べ安いとは言えないと思います.ご指摘の通り,主張する立場,前提の違いで価格は違ってくるので,同じ基準をきちっと揃えて企画する必要があると思います.講演のときにもお話ししましたが,軽水炉原発でプルトニウムが産み出され,それが微粉末に粉砕されて東京の上空で散布されれば東京から人は逃げ出し死の街になります.その場合,いくらの損失になるか計算できますか?

牧子嘉丸様
初めて書いた単著で,内容も大変力を入れたものであり,是非とも多くの人に読んでもらいたいという希望が強くあります.しかしながら,宣伝も程度問題であり,今後はその点もよく考えるようにいたします.ご助言有り難うございました.
森中様 (牧子嘉丸)
2014-05-30 14:20:52
ご返事ありがとうございました。自著をみんなに読んでもらいたいお気持ちよくわかります。言いにくいことを書きましたが、助言として受け止めて頂ければ幸いです。今後のますますのご活躍を。
原発は安いのか (出口英昭)
2014-06-02 11:29:32
森中先生
ありがとうございます。
結局この正しい回答は、誰が出してくれるのでしょうか。このままでは、原発は規制を守れば絶対安全だと言われ、今でも存在する業界を含む原発村騙されてしまうのでしょうか。
Unknown (森中定治)
2014-06-02 12:11:37
出口英昭様
>この正しい回答は,誰が出してくれるのでしょうか.

私も60の半ばになり,活動できるのは長くてあと10年くらいだと思います.その間,力一杯人類社会のためにできることをしたいと思います.そのための一つが“熔融塩炉”であり,“核廃絶”であり,私が学んだ“生命の意味”とか“種と生命”とか“同一哲学”です.今まで私の中にインプットしたものを社会にアウトプットしたいと思います.

そのためのツールとして,こういったブログやML等は大変有用だと思います.大勢の人が読んでくださる訳ですから.また先般の市民シンポジウムのように,なるべく注目を集めることができるように工夫してシンポジウムをしたいと思います.
そうやって,やれるだけのことをやって寿命が尽きて死んでゆくのでしょうね.

>今でも存在する業界を含む原発村騙されてしまうのでしょうか。

そうならないように,最大の努力をしたいと思います.“○○村”とは要するに利益共同体,つまり互助会です.今日の新聞にも“医学村”という言葉が出てきます.互助会はどこにもあります.程度問題だと思います.
Unknown (平井宏明・日本再生投資㈱代表取締役社長)
2014-06-13 09:43:38
福島第一原発の事故では、あれだけの大事故にもかかわらず、原発特有の放射線被曝による死者は1人も出ていません。(一部に放射線被曝での死者がいるという話もありますが、反原発派による根拠のないガセネタです。)
Unknown (森中 定治)
2014-06-13 23:46:35
平井 宏明様

物質の毒の強さは,ほ乳類の致死量で量ります.例えばLD50値が○○mgとか.しかし放射能は,そういう特性の毒性ではありません.例えば,プルトニウムの微粉末が東京の空に撒かれたら,東京から人は逃げ出し,死の街になるでしょう.そう言う場合に,死者はいないではないか(だから安全だ!)という言い方は成り立つでしょうか.軽水炉推進派の人は全員言い方が一律です.
もう少しご自身で考えられたらよいように思います.
シンポジウムの最初のビデオです.これで,放射能の毒性がどういうものかいくらかは分かって頂けるように思います.
1.趣旨説明 森中定治
http://youtu.be/WCv7M1dkpBg
節電に励んでいきましょう (ミネ通)
2016-04-19 10:10:51
こんにちは。グーグルから来ました。
うちでは、原発事故後、ソーラーパネルを設置してインバーターを介して冷蔵庫を動かしていました。
その後1年程でインバーターが故障してしまい、インバーターを介さなくても使える直流LED照明を設置しました。
ソーラーパネルは5年程使っていますが問題なく動いています。
部屋の絨毯を畳に変えて、掃除機を使わないライフスタイルを思案しています。
これからもお互い節電に励んでいきましょう(^^)/

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