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近藤浩治インタビュー (Wired/GameDailyXL/Game Informer)

2007年03月22日 18時21分38秒 | Interview article
GDCでの講演の記事が面白かったので、久しぶりにインタビュー訳してみました。
3つのサイトに別々のインタビューが掲載されていたので、訳も3本分・・・。
内容が被る部分や、よく分からないor訳せない所はすっ飛ばしてます。


まずはWired Newsから
VGL: Koji Kondo Interview
http://blog.wired.com/games/2007/03/vgl_koji_kondo_.html


Wired News:まず初めに、あなたが任天堂に入る前の話をお聞かせください。
学生時代どんなことを学んだか
そして卒業後、任天堂以外にどんな仕事をしていたかを。


Koji Kondo:私は名古屋で生まれて、音楽を習い始めたのは
5歳のころに電子キーボードを触ったのが最初です。
大阪芸術大学で音楽プロデューサーやディレクターの仕事を学び
大学卒業後、そのまま任天堂に就職したので
任天堂以外の仕事をしていた時期は有りません。

WN:なぜ任天堂を選んだのですか?

KK:大学の就職課の掲示板で、任天堂の求人情報を見たのがきっかけです。
ゲームが好きでしたし、シンセサイザーで曲を作るのも好きだったので
自分の居場所はここしかないと思いました。
日本では普通、卒業までに何十社も就職活動をするんですが
自分は結局、任天堂一社しか面接を受けませんでした。


WN:大学時代にはどんなゲームをしていましたか?

KK:スペースインベーダーに・・・ドンキーコング3に・・・、
色々なアーケードゲームをしましたが、特にドンキーコングシリーズはよくプレイしました。
行きつけの喫茶店にテーブル筐体があって、そこに入り浸ってました。

WN:それらのゲームの音楽をどう思っていましたか?

KK:こういう、電子サウンドに非常に興味を持った事を覚えています。
ちょうどマイコンが広まり始めた頃だったので 
私もBASICでサウンドを鳴らすプログラムを書いたりして 
次第にテレビゲームの世界に関心を持つようになりました。

それでも「自分ならもっと凄い音楽が作れる」と思ってたというわけではなく
単純に、ゲーム制作という過程に興味を持っていました。


WN:あなたはどのような音楽に影響を受けましたか?

KK:中学生の頃はDeep PurpleやYESといったハードロックが好きでした
高校に入ってからは、カシオペアやチック・コリア、ハービー・ハンコックなどの
ジャズやフュージョンに興味が移っていきました。

WN:学生時代は、将来、何千人もの大観衆の前で演奏してみたいと夢見ていましたか?

KK:ただ「キーボード奏者になりたい」と思っていましたが
すごく有名になって、大舞台で演奏したいという風には思わずに
スタジオミュージシャンになって、裏方として色々なミュージシャンと競演してみたいと思っていました。

WN:任天堂に入った後、マリオを手がけるまではどのようなソフト制作に関わりましたか?

KK:最初に関わったのは、パンチアウトのアーケードバージョンです。
それから、ファミコンBASICの説明書に日本のPopミュージックをプログラムする
解説なんかを書いたりしました。
その後、デビルワールドを担当し、そしてスーパーマリオの音楽を手がけました。

WN:スーパーマリオではステージ毎に、6つの異なったテーマを作曲されました、
あなたにとって、それまでで一番大きい仕事量でしたか?


KK:はい、確かにそれまでやったことの無い作曲数でした。


WN:作曲中は、どのようなことを考えていましたか?


KK:聴く人が「まるでゲームの音楽じゃないみたい!」と思ってくれるような
それまでのゲームでは聴いたことの無い、独創的な音楽を作りたいと思っていました。

WN:スーパーマリオで最初に作曲した曲は何ですか?

KK:水の中の曲です。

WN:何故それを最初に作ろうと?

KK:水中の音楽というのは、なんとなくイメージしやすかったからです。
逆に陸上の曲は、何度も書き直しました。

WN:完成まで何度も書き直されたということですが
スーパーマリオのメインテーマは、どのような目標を持って作曲されたのですか。


KK:ゲームの内容に合わせた曲を作ると言うのが、まず大前提で
そして次に、プレイヤーに合わせるというのも重要なテーマでした。
作業中は、一つの曲がようやく完成して、次の曲に取り掛かったと思ったら
またその前の曲に気になる所が出てきて書き直したり・・・と
何度も行ったり来たりしながら作曲しました。

WN:開発中は、曲が出来たそばからゲームに落とし込んで
ゲーム中での使われ方を見て、また曲を修正していく・・・という流れだった?


KK:はい、そうですね

WN:そういう作曲法は、他とは違った独特のやり方なんですか?

KK:ある種、任天堂ならではかもしれません。
任天堂では開発立ち上げ後、すぐにサウンドチームも活動し始めるので
開発が進むのと平行して音楽も出来上がって行くようになっています。
私が知っている他社のケースですが
ゲーム開発が殆ど完了した後で、外部からコンポーザーを雇い入れる場合もあるそうです。
そういう関係の時は、結果はやはり大きな違いがあると思います。

WN:開発に深く関わるという意味では
宮本茂氏と同様に、あなたもゲームデザイナーだと言えそうです。


KK:確かにそうかも知れません、私も他の開発者と同じように
ディレクターに自分の考えをぶつけることがあります。

WN:以前インタビューしたときに聞いたのですが
宮本氏は普段からサウンドスタッフに、
「ゲームの音楽を作るのなんかやめて、音楽のゲーム(リズムゲーム)を作ろうよ」
と言っているらしいですね、あなたも彼からそう言われましたか?


KK:ハハハ、確かに音楽ゲームを作ろうと言われましたね

WN:あなたは最近のリズムゲームについてどう思っていますか?

KK:う~ん、まったく違う分野なので分かりませんが
ちょっと私には難しすぎると思います。

WN:『押忍!闘え!応援団!』はプレイしましたか?

KK:いいえ

WN:応援団にはイージーモードもあるから、難しくないですよ!?

KK:でも、やっぱり私には難しいと思います。

WN:トワイライトプリンセスの音楽には、最終的にフルオーケストラは採用されませんでしたが、
それは何故ですか?
やはりゲームプレイとフィットしない判断なのでしょうか?


KK:それは理由の一つです。実は最初はフルオケも検討されていたのですが
フルオーケストラを使う利点と、ゲームプレイにおける弊害を計りに掛けて
使わない方を選びました、フルオーケストラのスコアがゲームプレイに調和する
方法が見つかれば、使う事も出来たのですが・・・。

WN:オーケストラを使うことによる弊害とは何ですか?

KK:私達が取り組んでいることの一つに、音楽とゲームのインタラクティブ性というものがあります。
音楽を楽譜通りに演奏するオーケストラ楽曲は、変化をつけるのが難しく
インタラクティブ性という意味では内蔵音源で鳴らすゲーム音楽に勝てないという判断がありました。
将来、フルオーケストラとインタラクティブ性を両立する方法が見つかれば
フルオーケストラを採用したいとは思います。

WN:あなたが今取り組んでいるプロジェクトは何ですか?最近の作曲活動は?

KK:現在の私の仕事は、作曲よりも、サウンドスタッフの統括に大部分を費やしています。
最近作曲した曲というと、New Super Mario Bros.の陸上の曲と
Twilight Princess のデモシーンの曲ぐらいです。

WN:また一つのゲーム全体のサウンドトラックを手がけたいと思いますか?

KK:それはもう! 出来るならそういう仕事に戻りたいと思ってます。

WN:あなたは今、Wii Musicに関わっているそうですね?

KK:はい、Wii Musicのプロジェクト全体を監修する立場にいます。

WiredインタビュアーのChris Kohlerさんは、実は『押忍!闘え!応援団!』の大ファンで
さりげなく『押忍~』の話を振ってますが、あっさり撃沈w (ちなみにこんな人です)



GDC: Koji Kondo Looks to Star Wars, Superman for Super Mario Galaxy Music
http://www.gamedailyxl.com/2007/03/09/gdc-koji-kondo-looks-to-star-wars-superman-for-super-mario-gal/


GameDaylyXL:昨日の講演はいかがでしたか?

Koji Kondo:ステージは満員で、来場された皆さんも非常に熱心でした。
私が嬉しかったのは、講演やビデオにいちいち反応をしてくれて
「ここにいる人たちが自分の音楽を聴いてくれてたんだなぁ」と実感出来たことです。

GD:ゲーム音楽と言うのは、例えば映画音楽と比べるとどう違うとお考えですか?

KK:映画音楽は、スクリーン上の人物の感情を強調するために設計されていますが
ゲーム音楽は、プレイヤーのプレイ内容を強調するためにあります。
“強調”というのはつまり、どうすればプレイヤーがより楽しくなるか、という事ですね。

GD:あなたがGDCの講演で話された
3つのポイント(Rhythm / Balance / Interactivity)は
長年ゲーム制作に携わる中で発見した哲学ですか?
それとも、もっと前から認識していたんでしょうか?


KK:私自身は、初めてゲーム制作に携わったときから
この3点を気にして曲を作るように心がけていました。
長年経験を積んで、以前よりも洗練された形で
表現できるようになったとは思いますが、基本的にこの考えはずっと持っているものです。

GD:あなたが個人的に好きなゲーム音楽作曲家はいらっしゃいますか?

KK:すぎやまこういちさん、そして植松伸夫さんです。

GD:彼らとは友人ですか?彼らとゲームの作曲法について話をしたことは?

KK:すぎやまさんは私とは別世界の人ですから・・・
コンサートやインタビューでご一緒させてもらった事はありますが、
実際に直接話すことは殆どありません。

植松さんとは殆ど同年代なので、会えば雑談程度の話はするとおもいます。
なかなか同席する機会は無いですけどね。


GD:あなたがゲーム制作に携わるようになってから実に23年が経っています。
8bit,16bitの時代から現在まで、ゲーム音楽を取り巻く状況も大きく進歩しましたが
その進歩はあなたにとって良いものですか?それとも良くないものですか?


KK:どちらとも言えます。
ゲームの進歩により鳴らすことの出来る音の種類や
表現できる音楽ジャンルは飛躍的に増加しました。
そうやって出来ることが増えるのは作曲する側にとっては面白いですし
ゲームにおいても効果的です。
しかし、その進歩と比例する形で、仕事量はどんどん増えています
昔は一つのゲームに3つの曲を付けていればOKだったのが
今では60曲も作曲しなければいけません。
そして一つ一つの曲を作るも、ものすごい時間と労力が必要になってきています。

GD:そうなると、昔のゲーム音楽作りが懐かしいと思ったりはしませんか?
NESやSuper Nintendoの音楽に戻りたいとは?


KK:えぇ、ノスタルジックな気分になってそういう事を考えることはありますね・・・時々ですが。

GD:あなたにとって究極のゲームスコアとは何ですか?

KK:今の私にとってはMario Galaxyが究極です。

GD:Mario Galaxyに取り組むにあたって参考にした音楽はありますか?

KK:Mario Galaxyは、スペースオデッセイですから
それに類する映画やCDをリサーチしています。

GD:どんな映画ですか?『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』のようなものですか?

KK:『スターウォーズ』に『スーパーマン』に・・・、『2001年~』もそうですね。


GD:最近、ゼルダやマリオの音楽をカバーするロックバンドが登場したり
VideoGames Liveのようなゲーム音楽ショーが開催されるようになりました
これらの現象を、あなた自身はどう思っていますか?


KK:とても嬉しいです。
私はただビデオゲームの為にこれらの音楽を作っているわけですが
それを聴いてくれた人々が、多くの観客の目に触れる場所で演奏してくれるというのは
驚くと同時に、素晴らしいことだと感じています。


GD:iPodはお持ちですか?
KK:いえ、持ってません

GD:おや?じゃあ音楽を聴くのはステレオですか?
KK:そうですね、家では音楽を聴くときはそうです。

GD:私達があなたの家に遊びに行くとしたら、どんな曲を聴かせてくれますか?
KK:私の宝物のCDを是非聴いてほしいですね
それは、渡辺貞夫さんが彼自身のアレンジでスーパーマリオワールドの曲を演奏してくれたCDです。
彼は非常に有名で才能あるサックス奏者です。

GD:有名と言えば、ポール・マッカートニーもあなたのファンだとか?

KK:1987年にポール・マッカートニーが来日したときに
宮本さんと私をバックステージに招待してくれたんです。
「マリオの音楽を作った近藤です」と私が自己紹介すると
目の前で彼がスーパーマリオのテーマを歌ってくれて
その時はもう本当に最高の気分でした!

ゲーム音楽のカバーバンドに触れるとはナイス!
こういうネットのインタビューって結構その手の話を聞いてくれるので面白いです。
前に訳した光田康典氏のインタビューでもファンのゲーム音楽アレンジについて触れてたし、
去年スウェーデンのサイト(→Linkに掲載された植松伸夫氏のインタビューでは
チップチューンについて植松氏の考えを聞いたりしています。





Scoring Nintendo: The Koji Kondo Interview
http://www.gameinformer.com/News/Story/200703/N07.0316.1031.20062.htm

Game Informer:ゲームの開発をしている時に、宮本さんや青沼さん、手塚さんは
あなたの音楽に指示を出してきますか?それとも自由にやらせてくれますか?


Kondo:音楽を作るにしろ効果音を作るにしろ 
彼らは「どうぞご自由に~」と放って置いてくれます(笑)

GI:ずいぶんと自由な環境みたいですね

KK:そうですね、彼らはゲームのストーリーについて私に説明するときも
「こういう音楽が欲しい」とは絶対言いません。
ゲーム内容について話し込むことはあっても、音楽に口を出すことは全く無いです。

GI:Game CubeやWiiにオプティカルアウト端子が付いていないことは
サウンド面でマイナスになるとは思わなかったですか?
他社のハードには標準搭載されていますが?


KK:いいえ、そうは思いません。
ドルビーサラウンド(プロロジック2)でも、私達の望む音響効果は十分だと判断しました。
オプティカル端子を付けるより、
ハードをコンパクトにして値段を安くする事の方が重要だと思います。

GI:任天堂のハードウェア担当者はオプティカル端子が必要かどうか、あなたに尋ねましたか?

KK:直接「オプティカルアウトが必要か?」とは言われていませんが
ハードウェア設計の段階からサウンドスタッフへの相談はありました。
彼らは私達に「目指すのは、面白くて革新的で
多くのユーザーがプレイしてくれるようなハードにする事です。」
「そのためにも、コンパクトにしなければいけないし
オプティカルアウトは搭載出来ないかも知れない」と語ってくれました。
サウンドスタッフも同じ思想を持っていたので、すぐに「OK」を出しました。


GI:ゲーム音楽に関わりたいと思っている人に、何かメッセージをお願いします。

KK:これからビデオゲームの音楽に携わる人に気をつけて欲しいのは
ゲームが、リアルタイムにユーザーの操作が反映される
インタラクティブなメディアだということです。
それは映画音楽とも違うし、CDに入れられた音楽とも全く違います。
ゲームの音楽、効果音、その他諸々の要素にもっと注目して
ゲーム音楽産業を盛り上げて行きましょう。





・・・ふぅっ、疲れた。

訳していて興味深かったのは、近藤氏がオーケストラに過剰な期待を持ってないところ。
たとえ生音が使える環境にあっても、プレイ内容に合わなければ
内蔵音源を選ぶというのは、ゲーム作曲家ならでは潔さだと思います。

N-LoversさんがGDCの講演について、「JAZZ好きな近藤さんらしく」と
書かれていたのを読んで「なるほどなぁ」と思ったんですが
近藤氏の音楽的傾向は、インタビューに出てくる
ミュージシャン(ハービー・ハンコック、チック・コリア、渡辺貞夫)からも分かるように
譜面どおりのオーケストラよりも、即興と対話的なジャズにベースがあるんだと再発見しました。



GDCでのスピーチが好評だったという事もあってか、また今度オーストラリアで開催される
GO3 Electronic Entertainment Expo 2007というゲームショーでも近藤氏の講演があるそうです。(→IGNの記事



おまけ


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