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つながり読書96 「猫を抱いて象と泳ぐ」 小川洋子

2017-01-04 21:50:15 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


前回ミルコさんの本の中に登場、小川洋子さん、つながり。

この不思議なタイトルからは想像がつかなかったが、題材はチェス。どこまでもチェスだ。

リトルアリョーヒンと呼ばれた少年のチェスへの思いの深さを知るに連れて、このタイトルが

じわじわと浸透してくる。


おじいさんとおばあさん、弟。

ミイラとインディラ。

バスとポーンとマスター。

老婆令嬢とマンションエチュード。


どの場面を思い起こしても、少年の人生にぴったり寄り添う風景が浮かぶ。


「ことり」でもそう感じたのだが、さびしいけれど、あたたかな「死」が漂う物語が本当に

上手だなあ、と思う。


なによりも好きなのは、マスターが住んでいる場所が動かないバスの中、というところ。

狭いバスの中に漂うお菓子の香り、日射し、チェステーブルと角の取れた駒、すべてが

しっくりくる。

そしてマスターを想像するとき、自然と思い浮かべるのがハリーポッターに出てくる

ハグリットさんだ。










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