ヨマナイドクショ

あらすじが最後まで書かれていれば・・・読んだ気になれるのに

カウンセリング熊

2008-03-24 | 「本」完全あらすじレビュー
著者:アラン・アーキン 
出版:原生林 (現在は絶版のようです)

主人公は、同属のみんなが崖から飛び降りるのに自分だけがそうせず生き残ったレミング。レミングが何かの動物にくわえられて、どこかへ連れて行かれるところから始まります。
森にいる熊の元に、ヒョウ、シカ、カルガモ、ヘビ、が集まって暮らしています。
それぞれが自分の属する集団や自分に違和感を持っている者ばかり。
そこに連れてこられたレミングも含め、熊から何かしらの影響を受けたいと思ってはいますが、熊はほとんど姿を現さずまた、姿を見せても何を語るでもない。

原題は『Clearing』
日本語訳がカウンセリング熊となっていますが、なかなか意味深いタイトルだと思います。
昨今『カウンセリング』ってよく聞きますが、本来の心理臨床のカウンセリングとは、自分を見つめて自分が生き易いように少しずつ変わっていこうとするのを、カウンセラーが見守ってくれる機会なのだと思うので、タイトルにふさわしいと思いました。
この森の広場に集まるそれぞれが実際に何をするでもない熊に「見守られている」と感じながら、自分と向き合う。
本を読み終えた私の友人は「森に行きたくなるなぁ」と。
そうだね。なんだか森に行って見えない熊に会いたくなるね。


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