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ロバート・フィスク:ドゥーマで塩素攻撃なんて起きてない

2018-04-17 22:57:29 | アジア情勢複雑怪奇

ミサイル100発撃ちこんで気持ちよくしている廃人のようなアメリカ人のことは置いておいて、イギリスのロバート・フィスクがシリアに入って現地からレポートした。

言うまでもなくロバート・フィスクは中東からのレポートで有名なジャーナリスト。そして現在まで生き延びている稀有な存在とも言えるでしょう。

そして、この「事件」後初めて現地に入った Westのジャーナリストという触れ込みが大きい。

16日に Independentに出た。

The search for truth in the rubble of Douma – and one doctor’s doubts over the chemical attack

https://www.independent.co.uk/voices/syria-chemical-attack-gas-douma-robert-fisk-ghouta-damascus-a8307726.html

フィスクの話はこの動画。

Robert Fisk: There was no chlorine attack in Douma

 

シリアのドゥーマで起きたとされる化学兵器による攻撃なるものは、例の赤ん坊やら子どもたちが水かけられてる動画や写真と共に配信され、いつものようにセンセーショナルな扱いを受けた。

ここにある写真ね。

シリア・ドゥーマでの化学攻撃、塩素に加えサリンも 米政府見解

http://www.afpbb.com/articles/-/3171228

 この高官は、シリア首都ダマスカス近郊の東グータ(Eastern Ghouta)地区ドゥーマ(Douma)で今月7日に行われ、米英仏3か国によるシリア攻撃につながった化学兵器攻撃について、現地からの画像や目撃証言の分析結果は「塩素ガスが使用されたことを強く示しているが、サリンの使用を示唆するかなりの情報もある」と述べた。

 報道やNGOなどのからの情報では「瞳孔縮小やけいれん、中枢神経系の障害」といった症状が示されているとした上で、「そうした症状は塩素ガスからは生じない。神経剤によるものだ。数十人の死者と数百人の負傷者が出たことに加え、これらの症状もサリン使用を示唆している」と説明した。(c)AFP

これに対してシリア政府もロシア政府も、シリア政府は自国民にわざわざそんなことする理由もないというだけでなく、そもそも化学兵器、化学物質による攻撃など起きてないと最初から一貫して否定してる。

で、その動画を広げたのは名高いホワイトヘルメットだろ、とも主張していた。

シリアの現地の人たちの話でも化学物質使ってたらそもそももっと別のパニックみたいなのがあるだろうし、そんなのないよ、で終わってた。

ロシアが取って来た話では、この地区の医師がここに来た患者は化学兵器攻撃を受けたわけではない、と言っているというところまであった。つまり、存在しないものを証明するのは難しいとしても、とにかく化学物質を政府がぶちまけたみたいな話が起こってないのは状況証拠としてもはや覆しがたいように見えた。空爆直前において。

シリア空爆:侵略軍空爆の直前の動き

しかし、どうして水をかけた動画なのかはある意味謎だった。というか、手当にあたってる人が防護服着てないってどうなのよ、ではあるわけで、あの動画で騒ぐのもどうかしてるわけだが。

が、そこでフィスクが持ってきたのはなかなか説得力のある現地インタビュー。どうして水なのかに至る話だけかいつまんで書くとこんな感じ。

ドゥーマはアルカイダ系が掌握していた。ダマスカス周辺で攻撃拠点として使われていた。したがって戦闘が起こる。そこで(なのかもっと前からそうなのかわからないが)、地下にトンネルや避難壕が結構な大きさで存在して人々はそこに入って難を逃れることが常態化しいた。そこで、またいつものように政府軍との戦闘が起こった。

地上の空爆によって地下には埃や土が舞い上がった。こんなことは初めてではないが、しかしその夜は風が強く極端に環境が悪化した。そこで、人々の中に呼吸困難による低酸素状態になった人たちが出てきて、お医者さんに運び込まれた。その時、一人の男が「ガスだ!」と叫び、みんなはパニックになって互いに水をかけあった。

だから「あのビデオはここで撮影されました。本物です。しかし苦しんでる人はガスの中毒で苦しんでいるのではなく、酸素欠乏で苦しんでいたのです

Then someone at the door, a “White Helmet”, shouted “Gas!”, and a panic began. People started throwing water over each other. Yes, the video was filmed here, it is genuine, but what you see are people suffering from hypoxia – not gas poisoning.”

https://www.independent.co.uk/voices/syria-chemical-attack-gas-douma-robert-fisk-ghouta-damascus-a8307726.html

 

でその一人の男が「ホワイトヘルメット」の男だとこの医師は証言している。

ま、ありそうな話だし、埃まみれに続いてガスと来たら水かけたくなるのもわかる気がする、などとも思った。

上のAFPの記事の、

現地からの画像や目撃証言の分析結果は「塩素ガスが使用されたことを強く示しているが、サリンの使用を示唆するかなりの情報もある」

の高官は凄いですね。画像からサリンがわかるなんて(笑)。日本人は騙されませんよこの件については。

 

ということで、いずれにしても、それを証明しようという最中の侵略軍によるシリア攻撃は、イランやロシアの高位の政治家たちが言う通り、アメリカとテロリストとの結びつきを証明するものだと言われてもまったく文句が言えない。まぁ実際そうなんだからどこから行っても、南から行っても北から行っても、三丁目から行っても五丁目回っても行き着くところはそこだとしか言いようがない(笑)。

シリア空爆:侵略軍空爆の直前の動き

 

イランのローハニ大統領

シリアの空爆は、米国とテロリストとの絆を証明したものだ

Syria strikes prove direct US-terrorists ties: Iran president

http://www.presstv.com/Detail/2018/04/15/558613/Rouhani-Putin-Syria-US-attack

 

で、その話の結果がこれなわけね。まさに、この頃世間に流行るもの、夜討 強盗、謀綸旨(ワシントンの一声)、といった趣。

 

 

■ 参考

ブリッツは中東には詳しい人がたくさんいる(よくも悪くも)。その中で生き残って、現在のUK政権はおかしいと言っている人はしかし数多くとは言えないのが恐ろしい。フィスクの中傷はコービンの中傷と並んで凄まじいし。

  • ロバート・フィスク

https://www.independent.co.uk/voices/syria-chemical-attack-gas-douma-robert-fisk-ghouta-damascus-a8307726.html

 

中東関係者じゃないけど、アルカイダ系をUK政府が支援していることを厳しく批判しているジャーナリストとして、ヒッチンズもあげたい。

How on earth would killing MORE people rescue Syria?

http://hitchensblog.mailonsunday.co.uk/2018/04/how-on-earth-would-killing-more-people-rescue-syria.html

 


  

 

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3 コメント

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一方BBCは (石井)
2018-04-18 17:10:09
ラブロフのインタビュー番組「HARDtalk」を一昨日放送しました。
https://www.youtube.com/watch?v=YFq4zdheIJk
肝心な事が削除されてるではないかと、ロシア各局のニュース番組が取り上げています。
検閲前がこれ
https://www.youtube.com/watch?v=EFhORWVFBUw

ドゥーマの「化学兵器攻撃」爆発していないタンクが転がっているし、窓も割れてないし、とか、トマホーク3分の2も撃墜されたけど、とか、ジョンソンが今夏のロシアW杯を36年のベルリン五輪に比べたことについて、ラブロフが38年の英独親善試合で英国選手が揃ってハイルヒトラー敬礼をしている写真があるけどと言ったこととか、ごっそり削られていました。
https://www.youtube.com/watch?v=EFhORWVFBUw
この最後の方でその写真が見えます。

それにしてもBBCの記者というのはこの程度の阿呆なのでしょうか。OOがこう言っている、OOもこう言っている、皆がこう言っているという程度のロジックしか無く、これでは現在ウクライナ下行われているプロパガンダと同質です。小生、最近警察の取調通訳を数週間程やったのですが、今日び、日本の警察の方がもう少し相手を敬う姿勢があるように思います。
人の話を聞かない (ブログ主)
2018-04-18 18:27:46
石井さん、

この話はロシア草の根系が話していたので見ました。
そういう言い方もなんですが、どうなるのか予想できて心が暗かった。
BBC等の悪意あるインタビューがどれほど強烈なものか、多くの人が知るようになって私はとてもうれしい! へんな喜びですが、いやほんと、そこ。

とにかく見下した or 敵視した対象の話は聞いてない、対話にならない、というのが一大特徴。つまりね、身分差別みたいなものですね。お前の話など聞く必要がない、という決め打ちを本当にする。
もうひとつイギリス絡みで (石井)
2018-04-19 21:17:37
漠然とイギリスはアメリカよりも少しはマトモかなと思っていましたが、今回の件でよーくどんな国か分かったのは、僕にとっては収穫でした。
昨晩のソロビヨフの番組から、
https://www.youtube.com/watch?v=5Bvgv7I1uEI
ロンドン在住の政治学者ネクラソフの話
「私の背景の建物で行われている議会で現在行われている偽善が如何に酷いものか。随分前からシリアでは英国の特殊作戦が展開中で、最近戦闘で2人死亡し怪我人も数名出ましたが、これには一言もありませんでした。シリアの「化学兵器」攻撃の被害者に涙し憐憫の言葉の溢れる議会ですが、イエメンではイギリス製の爆弾が女子供老人に対し毎日落とされています。更につい最近メイはサウジアラビアと100億ポンドもの武器供与の契約を結びました。この武器は直ぐにもイエメンで使われるのでしょう。こういう風に一方だけを見て、もう一方は全く見ないということがこの2日間の議会で観察できたことです。」
「シリアでの作戦が不調だったのは、彼等にも良く分かっているのでしょう。新聞は直ぐに話題を転換し始めました。ドゥーマでシリアロシアが調査団を拒んでいるとか。メイはシリアにおけるラシズムへの闘いを始めたとか。ふざけたものです。こういう粉飾を始め出したということは、私の30年の経験上申し上げると、連中はヘマしたことを理解しており、次は何処を焚きつけようかと思案中だと思うのです。私の心配は、当たって欲しくないですが、東ウクライナではないかと予測しています。」
「ナチズムを想起させるようなロシアに対するヒステリーは何に依るのか。それは、こちらではロシア専門家とされるロシアについて何も知らない人々がもたらすものです。例えば、元駐露イギリス大使。彼等のテレビラジオでの議論を聞いていると、ロシアへの憎しみの言葉ばかりです。」
ここで司会者は、「外交儀礼上、あなたの言葉は適切ではない」と遮り続き、
「イギリスにおける所謂ロシア専門家についてですが、彼等と私は至る所で衝突してきて、その都度私はいなしてきたのですが、彼等は、先ずロシア語を一言も知らない。それから、ロシア史を全く知らない。例えば、クリミアは常にウクライナの領土だったと平気でいうわけです。私がクリミア戦争は、と聞くと、誰が戦ったも知らない。言葉、歴史、文化、何も知らないけども、否定だけする。片やロシアのイギリス専門家は英語が出来るのは勿論、ディケンズをこちらの人よりも知っている。敬意を持ってイギリス人に応対しています。こういうことは冷戦時から続いてきたことです。それからジャーナリズムについてですが、何故かロシアでは賞賛され影響力のある、エエコノミスト紙、ファイナンシャルタイムズ、タイムズ等々、私は一切読みません。私はこちらの記者で誰ひとりロシア語が出来る人を知りません。誰もロシアの歴史、文化、伝統を知りません。彼等はプロパンジストであり、ジャーナリストではありません。そういう彼等がモスクワへ来て、直ぐにロシアを貶し始めるのです。前任者から引き継いだ狭い人脈の付き合いしか無く、全てのバー、レストランだけは諳んじることができ、まあ、大体はアメリカ大使館のビュッフェでブラブラしているのですが。この種の手合いが伝える情報から人々がどんな印象をロシアに対し持つか、わかりきったことです。」

欧米、日本の記者も恐らくは、ロシアで付き合うのは「リベラル」(正確にはネオリベラル)のロシア人だけだと思います。先週、ビリニス(リトワ)で「自由ロシア」の総会がありニュースが一部報じていました。さながら新興宗教の集まりで、ロシア人でありながら「ロシア憎し」のみを叫んでいました。西側ではこの種の連中からモスクワ発のニュースが流されているということです。

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