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ミアシャイマー氏、コーエン氏、ロシア・トゥデイに出演

2014-04-29 17:44:15 | 太平洋情勢乱雑怪奇

アジア方面の安全保障体制の再編成とかが来るってことなのかなぁと思わないでもない今日この頃。安倍さんが欧州を訪問するそうで、日米でアジア版NATOを作るんだ、みたいなことを言いだすんじゃないかと思ったりもする。

その是非はともかく、最近の日本の状況で最も問題なのは、国内議論をすっ飛ばして突然外国で大きな約束をすることだろう。これはどうしたものかと思うけど、どうしたものか対策がわからない。

と、アメリカ方面でも、この議論をすっ飛ばして決められたものがメディアを通して降りてくる、どこにも異論を挟む余地がない、という形式の不健全さが根本的に疑問視されている。

そういう中、国際政治学者のジョン・ミアシャイマー氏とロシア研究者のスティーブ・コーエン氏が、昨日RTというロシアのインターネットテレビに出演。ちょっとした驚きがインターネット界隈(どこ?)に広がった。

CrossTalk: Containment 2.0? (ft. Stephen Cohen & John Mearsheimer)
http://www.youtube.com/watch?v=S9674pRBm6g

話題はもちろんウクライナ危機。

ミアシャイマー氏は3月に論文を出した時と同様、この危機の大きな原因は90年代クリントン政権が進めたNATO東方拡大問題と、ウクライナをロシアの影響圏からはぎ取ろうとしたこと。直近の危機の原因は、2月のクーデターとはっきり指摘。

その上で、90年代にNATOを拡大していった時には、ロシアが弱く、かつ拡大地域もロシア国境から離れていた。現在は、ロシアが前より強くなり(ソビエトに比べたら非常に弱いとしても)、拡大地域はロシアの国境を巡っている。これは本当に危険な状況だと力説。
これを受けて、スティーブ・コーエン氏も同意。ロシア側の国境の向こうにロシア軍が、そしてポーランド側の後ろにNATOがいるわけだから、それがどう配置されるのかによって、その駆け引きによって本当に戦争になることも考えられないわけではないとこれまた危険を力説。

この他、なぜこうなったのかについてのアメリカ側の事情を二人とも批判する。

一国スーパーパワーになってからのアメリカの政府、政策決定者たち、つまりワシントンにいる人たちは、自分たちはbenign hegemon(善意の、または良性の、覇権国)だと頭っから信じ切っており、自分たちが他国に言うことは、彼らが従うに決まってると思ってる。世界には問題がある、それは彼らが従わないこと、みたいな調子だと。

世界をアメリカが見る通りに見るのが当然だという幻想が本当に広がっているんですよ、とミアシャイマー氏が真顔で語り思わず笑いを誘う。

また、本当の冷戦時代には、ディベートというものがあった。抑止派と戦争に積極的な派があって、抑止派の方が少数だったけどそれでも様々な媒体を通してその意見を発表することもできたし、テレビの討論などもあった。それが現在ない。反対意見のない状態でものごとが進んでいる。

ロシアを完全に孤立化させる、のけ者国家にするといった方針について、議会にも、主流メディアにもopposition、つまり、反対意見、野党が存在していない。ただただロシアを非難している。

また、この時代にそんな完全な孤立なんて無理。結局、ロシアとチャイナをくっつけるだけだろう。そもそも、イスラエルが先月の国連のロシア非難決議に参加していなかったぐらいだ(つまり、アメリカが世界中を従わせるなんて無理だ)。

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そもそも、こういうアメリカの賢人みたいな人たちがロシアのテレビに出て来るという時点で、物語っているものがある。つまり、英語圏の人たちがいうmainstream media、主流メディアには異論をはさむ余地、スペースもタイムもない。

また、お二人の発言を聞いていて、別の言い方をすれば、要するにアメリカの現状には「外交」が存在していないという意味なんだろうなとも思った。

世界一素晴らしい私たちが世界の人々のためを思って政策をもっていってやってるんだから、彼らが従うのは当然だ、と思っていると。だから、話し合う必要がないし、交渉の必要がない。だから、アメリカが出て来た以上ロシアは引くべきだ、という前提なんだろうなぁと改めて思って怖くなる。

折から、アメリカの大使たちが素人ばかりで世界中で揉め事を起こしていると指摘されているが、この構図で考えれば素人でもいいわけだ。アメリカ政府が立案したのを、はい、これに従ってね、と置いてくればいいと思っているから。つまり、対等な「他者」が存在しない、と言い換えることもできるのだろう。

また、よく言われている、with us or against us、俺と一緒に来るんだろ、じゃなきゃ敵だぜ、というアプローチもこの構図としては必然的に出てくるだろう。なにせ、「他者」の事情は存在しないんだから。

いやしかし、アメリカはこの状況を修正できるんだろうか? しないんだろうね、きっと。だって自分たちは最終的な勝者、それも善なる覇権だと思っているから。

どこまで続くのか・・・。いや続くんだろうけど、でもなんかみんなが想像しているよりもずっと深刻な事態が進行しているのかもしれないと思わないでもない。何に繋がるかはわからないけど、少なからぬアメリカ人たちが、ロシアのテレビやら報道を見て事態を把握したり、insane(狂ってる)じゃない意見を聞けてよかったと感じる、みたいな事態が発生して、それに対してケリー国務長官が「RTは国営のプロパガンダ機関だ」から見るな、とわざわざ言明したりしている。やっぱり記事じゃなくてテレビってインパクトがあるんだろうなと思った。

 

■ 参考記事

ウクライナ危機は西側の過失 by ジョン・ミアシャイマー


 


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