DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

The Lady @ TOHO CINEMAS流山おおたかの森

 ミャンマービジネスをやろうって人間がこのアウンサンスーチーの人生を描いた映画を見逃すことはできないだろう。まあミャンマー抜きでもリュック・ベッソン監督作品なので観る価値ありだが(^_^)v 流山おおたかの森なんて遠いかと思ったが、武蔵野線とつくばエクスプレスでサクッと30分くらいで到着。最近は映画鑑賞券発売も自販機になったのね。家族や学生が多い中、この作品の上映館だけ年齢層が高いw。

 これほど美しい政治的映画は観たことがない。自分のミャンマー滞在体験と重ね合わせたための感動があるにせよ、間違いなく傑作の部類に入る現代東南アジア史を描いた2時間を超える一大大河ドラマ。
 アウンサンスーチー女史の髪結いに必ず花が差される、まさに人権活動家らしい誇り高さを示すアクセサリー。前半のスーチー女史の100万近い大衆を前に行う最初のスピーチからボロ泣き。もちろんビルマ語は全く分からない、しかしそのまろやかな抑揚と流れるような言葉のリズムは、ビルマ語が世界有数の美しい言語だと理解するには十分だ。何と言うか、言葉が世界を動かす、もうそういう場面だけで目頭が熱くなる(ノーベル平和賞授賞式での夫と息子のスピーチも同様)。この後にも参加予定の反原発デモに対しても気合いが入る。
 ただの政治的映画がこんな全国ロードショー展開するはずはない、スーチー女史の家族愛の描き方がまた素晴らしい。彼女や旦那さんは確かに立派な人だが、やはり出自は一般市民なのだ。ただスーチー女史の亡き父親が平和な時代の将軍だったことから、彼女がビルマ民主化のシンボルになって行く。
 ラングーン(現:ヤンゴン)市内の風景として市場だったりパゴダが登場する。スーレーパゴダ、シュエダゴンパゴダ周辺の風景、あの時歩いた道が約20年前には血生臭い弾圧、虐殺があったと知り、自分がこれから彼の国とビジネスをする上で身の引き締まる思いがする。「あなたが政治を考えなくても、政治はあなたのことを考えている」、しびれるセリフです。
 なんかね、最近は女性の美しさにも年輪を求める感覚が出てきたと言うか。カワイさでも色気でもない、人としての年輪の美しさがスーチー女史にはある。あらためて「黄金の国」を好きにさせてくれる作品。
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