雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

闇から覗く顔 ドールズ

2014-03-16 21:00:00 | 

高橋克彦著"闇から覗く顔 ドールズ"を読みました。
"ドールズ"の続編です。
前の巻では八歳の怜の体に江戸時代の天才人形師
泉目吉が蘇って住み着いています。
怜が表に出て目吉が引っ込んでしまった状態で終わって
います。
この巻では普段は怜が表に出て生活しています。
怜自身は自分の中にいる目吉の存在を知りません。
目吉は自分の意思で表に出たい時に出てくる設定です。

"紙の蜻蛉"
創作折り紙作家の花村の個展が仙台で開かれました。
怜と叔父の恒一郎と人形作家の香雪は個展を訪れます。
目吉が表に出て江戸時代の難しい折り紙の蜻蛉を折り
置いてきます。
個展の開催に協力してくれた女性が殺されます。
警察は花村を犯人として追っています。

"お化け蝋燭"
怜、恒一郎、香雪と医師の松村は商店街の企画のツアー
で鬼怒川の江戸村に行きました。
宴会の出し物に写し絵と影絵が演じられました。
ツアーの参加者の安西が建物から転落して亡くなりました。
安西は鳥追姿をした人といっしょのところを見られています。

"鬼火"
怜が膵臓炎で入院しました。
原因不明です。
目吉を呼び出して聞いてみると胆石持ちだったことが
わかります。
怜に胆石はありませんが目吉の想像胆石で発病した
のではないかと医師は考えています。
同室の入院患者は海外の飢えに苦しむ子供たちを救う
活動をしている松永久枝です。
目吉は入院中は表に出てこないようにされています。
怜は久枝を恐れ怯えています。
久枝の秘書が刺される事件が起きます。

"だまし絵"
晶緒は霊能力で有名になった二十歳の女性です。
双子の兄の定行と行動を共にしています。
彼女が視た人達が火事に会ったり亡くなったりして
いて警察が彼女たちがやっているのではと疑って
見張っています。
晶尾は怜に兄が殺される夢を見ました。
夢に出てきた少女に実際に出合って怜に接触して
きます。

目吉が犯人を見つけたり怜に危険が及ぶのを
防いだりと活躍します。
目吉はやさしいです。
人を殺したり傷つけようとする人に対して頭ごなしに
非難するのが普通ですが、目吉はどうしてそういう
行動を取ったかに思いをはせ、相手の気持ちに
寄り添います。
頑なだった心をほぐされていきます。

8歳の少女が江戸時代の職人の話し方でしゃべったり
あぐらをかいたり煙草をすったりとする姿は奇妙な
ものでしょうね。

とてもよかったです。

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