良いですらー・悪いですらー

大の大人が良いことと悪いことを書き綴る不定期ブログ。レコーディングダイエットがメイン。

1週間前の話

2008年06月15日 12時44分47秒 | 雑記
ちょうど一週間前に、あの嫌な事件が起こったんだけど…。

報道されている容疑者の置かれていた状況というのには、正直同情したりもする。

「彼女いない」とか「俺なんか生きてる価値ない」とか「勝ち組なんて死んじまえ!」とかは、私自身も通った道だし。ただ収入に関しては、25歳当時で比較するなら彼のほうが遥かに良いんだけど。

ただ、今回の件であまり多く語られていないな、というのが「親」の存在。ま、あんまり語ると「あの両親」を袋叩きにするだけなんで、意図的に避けてるというのはあるんだろうな。

でも、今の20代・30代或いは40代前半くらいまで入れていいと思うけど、そういう世代の親の世代って、「子供に単純に短絡的に期待してしまう」という世代なんだよなあ。

子供にも色々あって、自分以外の人間(親でも他人でも)から言われたことを、上手に受け止めたり、受け止めたふりをしたり、完全にスルーしたりとか、できる子とできない子に分けられます。まあ、人から何言われても平気というタイプは、ああいう事件なんか起こさないわけで。

問題は全部真剣に受け止めて、それを(例えるなら親の期待を)実現しようとするタイプなんだな。そしてそれが不可能だと判ると、弾けてしまったり逆に親を恨んで反逆したり。今回は実はそういうケースだと思う。

でも確かに今の20代~40代前半くらいの子供を持つ親達の育った環境だと、戦後の復興、高度経済発展、学歴社会、というところに、幸せの原点を感じているから、結構自分たちが残酷なことをしているのに、まったく気がついていない場合も多いんだ。

どういう事かと言うと、自分達の幸せの価値を基準にして、現実に子供達の世代が持っている難問を把握できず、子供に「悪意もなく期待する言葉」を「幼少の時期から発し続けてる」という事ね。

実は子供の頃から、「お前には期待している」とか言う事を、ずーっと発し続けてると、ボディブローのように効いてくるもんなんよ。

今の20代~40代前半くらいは、バブル崩壊後の色々なマイナスの要素のみを、感じている世代です。いや、自分達はこれからどうなるんだろう?という漠然とした不安みたいなものは、80年代中盤くらいからあったと思う。というのも、オウム真理教の事件なんかは、そのはしりだったかもしれないと、最近思うようになってきて。

で90年代前半のあるワイドショーだったけど、オウムのどこかの教団施設の入り口で親達が出家した子供達に「帰って来い!」と呼びかけてるシーンを見て、出家して信者になった子供ら(若者だよ)は、嘲笑を浮かべて親達を見ていたんだな。でそのシーンを見てコメンテイターの大島渚監督が、

「ああ、この子達は親を憎んでいるね」

と言うコメントしたのをよく覚えている。

こういう場合には普通、「育ててもらった親をなんだと思ってるんだ」とか「親の気持ちがわからないのか」と言うコメントしか出ないのが関の山なんだろうけど、大島渚はわかってるんだな、と当時は思ったもんです。ま、今はそこまで発言できる骨のあるわかってるコメンテイターは少ないだろうけど。

だから、子供を持って人は気をつけたほうが良いです。特に聞き分けの良い子供だったりしたらね。まわがまま言いたい放題の子よりもデリケートですから、多分。