DayDreamNote by星玉

創作ノート。幻想的な短いお話、詩、散文など載せています。よろしければお立ち寄りください。

#56.書物師

2018年04月15日 | 星玉幻想story帳
【書物師】


書棚の奥にしまっている緋色の本は


数年前


書房通りの書物師が作ったものだ。




今その書物師が暮らしていた工房は空室で



師も姿を消した。





本を持ち金星塔を上る。




展望台で表紙に手をかけた。




三千三回目だ。




頁をめくることを試みた回数は。




だがめくれない。




頭上の星が笑い



森へ帰る鳥が鳴く。





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