ルイ・アームストロングのこの素晴らしき世界のはなしです。
最初に断っておきますが今回は通常のレヴューじゃないです。
この曲が素晴らしのは今更言うまでもありませんし、サッチモに関しても好きではあっても、世の中のサッチモファンの方のような特別な思い入れもないので、曲やサッチモについて語るのもおこがましいと思ってます。
今回のお話はこの曲の個人な音楽の体験です。
ずいぶん前に中古で買ったサッチモのべスト盤にこの曲が入っていて、何度となく聴いていました。もちろんCDを買う以前からあらゆる場所で耳にしてきた曲です。
ふと曲の出だしすぐのof green~red roseと歌ってるところの『~』の部分に、この曲で一番細かく刻んだアルペジオと同じビートで、しかもピッチもあっている音が聞こえました。
ん?と思って聴いていると、その後のtoo~、bloom~、と歌の切れてるところですべて聴こえてきます。
よく聴けばそれはサッチモのビィブラートでした。声になってない倍音部分だけで喉のひっかかりみたいなところでのビブラートでした。
それまでサッチモはこの曲では、ほとんど声を伸ばさずに歌っているとばかり思っていて、真剣に再度曲頭から聴きなしました。
するとサッチモは歌詞から歌詞の間のメロディーを、ほとんど伸ばしリズムをとっていることに気がつきました。
知っている人にとっては当たり前すぎる事かもしれませんし、興味のない人には何にもない事なのかも知れませんが、それに気がついた瞬間、音楽観が一変しました!決して大げさでなく。
私にとって、ジミヘンが下手なプレイヤーになり、ビートルズがただの歴史上の人物になり、ストーンズも聴きたいと思わなくなるくらいの変化です。
それまで、1曲を通してボーカルが歌ってるところと、いないところがあると、当たり前のように思っていて、サッチモのように1曲の間中、声を出す出さないに限らず、集中力が常に変わることなく歌い続けるボーカリストの存在を初めて知りました。
常にリズムをきちんととりつづけ、曲の始まりから終わりまで全く同じ集中力をもちつづけなければ、きちんとした音楽にならないことを教えられました。
それと共に、いかに普段音楽を自分が脳内で省略して聴いていたかを知りました。それ以降黒人音楽の奥深いリズムや音がより聞こえてくるようになり、黒人音楽漬けの生活になりました。それまで好きだったブルース・スプリングスティーンやクリームも物足りなくなりました。
実際サッチモのビブラートの話しを友人にしても、気がついてる人は少なかったですし、一緒に聴いて、説明しても聞こえない人も中にはいましたよ。
皆さんも今日は久々(?)にサッチモの歌に真剣に耳を傾けてみませんか?
この素晴らしき世界 の歌詞のあるページ THE HIGH TIME ROLLERSさんのサイトです
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