【阿弗利加 3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P173
参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・S
司会とまとめ:鹿取 未放
62 アフリカの乾ける地(つち)にとぐろなすもの飼ひならし老いゆくは人
(まとめ)(2008年4月)
どこにいても人間は生きていかねばならない。だからあくどいようでも生活の為には蛇を飼わねばなならない。そこに憎い顔をした蛇使いながらそこはかとない悲哀があり作者の同情がある。人は老いゆく、となだらかに用言で止めず、体言止めで人を強調したところにも作者の思いが出ている。「アフリカの乾ける地」という生きる場の提示が、下句をよく活かしている。(鹿取)
(意見)(2008年4月)
★レポーターは「自分もかいならされて」と書いているが、歌ではそうはいっていない。比喩的に
アフリカという過酷な土地に「かいならされて」ということなら言えるかもしれないが、そうい
う意味ならもっと言葉を補わないといけない。(鹿取)
★この蛇使いには、他になりわいの道がないのだ。(Y・S)
(レポート)(2008年4月)
この乾ける地で蛇と共同体である。生活していく以上蛇を飼い慣らしまた自分もかいならされて老いて行く。生きていく。ここに寂しさがある。(T・S)*レポーターの表記のママ。