かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠102(スペイン)

2018年10月15日 | 短歌一首鑑賞
 馬場あき子の外国詠12(2008年10月実施)
  【西班牙3オリーブ】『青い夜のことば』(1999年刊)P61~
   参加者:F・I、N・I、T・K、崎尾廣子、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:N・I まとめ:鹿取未放

102 オリーブを竿に落してゐる二人紀元前からずつとかうして

     (レポート)
 太古からの方法を今に続けている。スペインの希望は農業の機械化である。(N・I)


     (まとめ)
 オリーブの実を竿で叩いて落とすという紀元前からの収穫法が小規模の農家では今も採られているのだ。旅行者にとってそれは牧歌的な風景かもしれないが、はなはだ効率の悪い農法である。機械化をはかりたくとも資力が伴わず、国も貧しいため援助も期待薄なのだろう。旅行者としてははがゆい面があってもどう手出しすることもかなわない。おそらくアフリカやネパールなど貧しい国に働く人々を前にした感慨は、似たようなものがあるのだろう。眼前の懐かしげな光景に反して、そんな認識も働いているのかもしれない。(鹿取)





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