かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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追加版 渡辺松男の一首鑑賞  43

2013年10月15日 | 短歌1首鑑賞
     ◆最後の行に忠治の歌を二首追加したので、再度掲載します。

                 【からーん】『寒気氾濫』(1997年)34頁
         参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
         レポーター:鈴木 良明 
         司会と記録:鹿取 未放

77 彫像の国定忠治の首を立てたいらなる地は霧這いてくる

(レポート)2013年10月
 国定忠治の彫像はいくつも作られており、上州長脇差の典型的人物として、地元でも永く語り継がれてきた。この歌からは、忠治の首から上だけの彫像が強くイメージされるが、(そのような彫像はたぶん野外にはなく、)平坦な地を這ってくる霧によって首より下が隠されていると読むのが至当だろう。風土の中に置かれた忠治のこのような姿こそ、義賊・侠客として磔刑にあい、英雄化された者にふさわしい。
 ※国定忠次 (国定忠治とも書く) 江戸末期の侠客。上州国定村の富農の子として生まれ、二十一歳で博徒の親分になる。罪を重ね、磔刑。歌舞伎・新国劇などで義賊・侠客として英雄化される。


(記録)2013年10月
 ★国定忠治の歌、この作者は何首か作っていますよね。レポーターが言われるように首だけの像
  はなくて、霧で胴体の部分は隠れているのでしょうね。私もネットで調べてみましたけど。二
  宮金次郎の彫像が首だけだったら意味がないように、忠治の首だけって意味がない気がします。
  写真で顔知っている訳じゃないし。(鹿取)
 ★生首のような効果をねらっているのかなあ、まともな死に方じゃなかったし。とても力強さが
  ある。(鈴木)
 ★霧が巻いてくるのが、音もなく追っ手が迫ってくるようなイメージもあるし。この頃の侠客
  というのはそれなりの哲学を持っていたから。(崎尾)
 ★そういうところに渡辺さんの思いがあるんでしょうね、忠治を何回も歌っているんだ
  から、単なる郷土の英雄として見てるわけではない。(鹿取)
 ★でも、風土性がありますね。(鈴木)
 ★「首を立て」の所は必ずしも首にポイントがあるのではなくて、彫像を首で代表させ
  ている気もします。どこまでも平らな土地に垂直に立つ像の存在感というか強さ。
    (鹿取)


(追記)2013年10月
 作者は部分に注視する。ヤンバルクイナは脚だったし、首の歌も既に一首鑑賞した。

  62 乳白色の湯船に首を浮かばせて首はただよいゆくにもあらず
  69 敗走の途中のわれは濡れてゆくヤンバルクイナの脚をおもいぬ

 目に付いた国定忠治の歌。
     あかぎ山ゆ博徒かなしみ下りしときこの世のことはとほいゆふばえ 『蝶』 
殺さるる覚悟で殺すあたりまえ忠治は知れどブッシュは知らず 『自転車の籠の豚』
     小太りのその相貌をおもうだに何にかなしき国定忠治 『自転車の籠の豚』
                            (鹿取)
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