かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 馬場あき子の外国詠396(中欧)

2018年01月21日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠54(2012年7月実施)
   【中欧を行く 虹】『世紀』(2001年刊)109頁~
   参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:藤本満須子
   司会と記録:鹿取未放

396 「エレクトラ」の幕切れに泣きて歓呼するウィーンの情熱の中にゐるわれ

      (レポート)
 オペラもいよいよ終わりだ。父の仇を討った弟のオレストスを讃える姉のエレクトラは踊り始めるが興奮のあまりその場に倒れてしまう。ウィーンのオペラ座の観客も興奮の渦中に引き込まれてしまう。観客は泣きながら「ブラボー」「ブラボー」と叫んでいる。そのオペラ座の熱気の中に私は今いるのだ。ウィーンの観客と共にスタンディングオベーションに加わった作者を十分に想像させる。(藤本)


      (当日意見)
★欧米人の感情の激しさの中で、覚めて自分を捉えている。周囲をもしっかり見ている。結句の
 「われ」がよい。(崎尾)
★そうですね、自分も歓呼しているんだけど、ふっと我に返ってそういう自分をもう一人の自分
 が見ている。(鹿取)



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