かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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馬場あき子の外国詠278(中国)

2014年08月29日 | 短歌一首鑑賞

  馬場あき子の旅の歌【李将軍の杏】『飛天の道』(2000年刊)176頁
              参加者:Y・I、T・K、曽我亮子、T・H、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
               レポーター:T・H
                司会とまとめ:鹿取 未放


218 杏仁水あえかに冷えてのみどゆく鳴沙山の月見しは嘘ならず

     (まとめ)(2010年6月)
 出だしが、杏仁水、あえかにと頭韻を踏んでいる。あえかに、の柔らかな語感が、一首に夢のようにはかない気分を醸し出している。216、217番歌では「鳴沙山」に昇る怪異のごとくおそろしい月を見ていたのだが、それがはるか異界のできごとだったように、あるいは夢の中のできごとだったように感じられたのだろう。だから「嘘ならず」とだめ押しをしているのだ。どこかオアシス都市に移動してからの感慨だろうか。夢から覚めて放心したような気分を、上の句の柔らかなフレーズがよく伝えている。(鹿取)


     (レポート)(2010年6月)
 今、先生は、中華料理の後に出される杏仁水を召し上がっていられる。それは冷たく心地よい。私が鳴沙山の上に上った月を見たのは、夢ではない、本当なのだ、と信じられないような仕合わせを感じておられる。(T・H)


*219~222番歌の李広についての記述は、本史氏の小説『飛将軍李広』や
  Wikipediaの記事等を参照した。ちなみに、本史氏は本邦雄の御子息である。

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