かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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馬場あき子の外国詠 183(アフリカ)

2014年04月29日 | 短歌一首鑑賞
    【阿弗利加 1サハラ】『青い夜のことば』(1999年刊)P157
                               参加者:崎尾廣子、T・S、N・T、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
                               レポーター:崎尾廣子
                                 司会とまとめ:鹿取 未放
 

16 ベルベル族の少年は砂漠に手を広げ友よと言ひてなよるならずや

     (まとめ)(2007年11月)
 「なよる」は広辞苑に「なれてよる。親しくなって近寄る」と出ている。ここでは親しそうに寄ってくる、くらいの意味だろう。「や」は反語か。「砂漠に手を広げ友よと言ひて」寄ってくるのは親切料を貰うためだということが次の歌「料金のありてそれだけの友情を買ふことも砂を行き愛(かな)しうす」で分かる。それが彼等にとって生きていく術なのだが、少年は何歳くらいなのだろう、そのあどけなさを思うといっそうあわれである。(鹿取)


     (レポート)(2007年11月)
 見知らぬ人との出会いに人はまず相手を警戒するであろう。しかしベルベル族の少年は「手を広げ友よと言ひて」と詠われているように警戒心をあまり持たず近寄ってきたのであろう。友情をかけたいのか。友情と名の付くその行為に求めるものは何か。父母への思いを現す生活に潤いをもたらしてくれる糧であろうか。「友よ」が哀しい。答えていると思われる作者の優しい目差しを結句「なよるならず」に感じる。裸の大地に住む人にとっての見知らぬ人の来訪は、人が縁にも泉にも思えるのかもしれない。少年の心の内を思わせられる歌である。

  *ベルベル人:北アフリカのチュニジア、アルジェリア、モロッコ地方の原住民。ハム語系。
         ネグロ・セムの血も混じる。
                                   (崎尾)

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