かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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渡辺松男の一首鑑賞   41

2013年10月07日 | 短歌1首鑑賞
                 【からーん】『寒気氾濫』(1997年)33頁
         参加者:崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
         司会と記録:鹿取 未放


75 見付けたきもの見付からぬ倉庫にて物言わぬ荷に視姦されいき

(レポート)2013年10月
たぶん家業の手伝いのために、普段あまり入らない倉庫に入って物を探したのだろう。「私が物を見る」ということは、同時に「私は物から見られている」ということでもある。倉庫に入って意識的にものを探しているときには、「物を見る」という私の主体が強く働いている。ところが、当のものが見つからないとき、主体は肩透かしを食らって、今度は一転、私は客体に転化し、「物から見られている」という意識が強く浮上してくる。物言わぬ荷にまじまじ見つめられて、まるで視姦されているかのようだ。
(鈴木)


(記録)2013年10月
 ★主体から客体に転化するという解釈がうまいと思いました。(慧子)
★私もよくこういうことがあります。本当はあるんだけど、見つけることができなくて、
  向こうから見られている感じ。(曽我)
 ★こういう場面はけっこうある。特に人気のない倉庫だと怖くて、物に見られている感
  じが強いでしょうね。私の子供がまだものが言えない赤ん坊の時、ふたりきりでいて
  赤ん坊の視線がとっても怖いと思ったことがある。我が子なのに目の奥に異星人みた
  いな得体の知れないものが潜んでいて覗かれているようで怖かった。それとこの歌の
  感覚は似ている気がする。(鹿取)
 ★こういうのを歌にするのは難しいことだし、こういうの歌になるかしらと思ってなか
  なか作れないですね。どう歌ってよいか分からないし。こういう経験を即、まあ即か
  どうか分からないけど、歌にしてしまうところが渡辺さんのすごいところ。(鈴木)
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