かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠 151(スペイン)

2014年03月13日 | 短歌一首鑑賞
   【西班牙 3 オリーブ】『青い夜のことば』(1999年刊)P63
                 参加者:F・I、N・I、T・K、崎尾廣子、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
                 レポーター:N・I
                   まとめ:鹿取未放


107 大聖堂ほのかに見えて犇きて人々地獄小路に住めり

     (まとめ)(2008年10月)
 これもトレドであろうか。地獄小路という名称はネットで検索しても出てこないので、ごみごみした下町の狭い通りをそう呼んでみたのだろう。トレドの大聖堂は250年もかけて完成したそうだが、小路の向こうには壮大な大聖堂の一部が見えているという。小さい家家がぎっしり並んだ小路には大勢の人々が行き来している。地獄小路と呼びながら別にそこを蔑しているのではない。大聖堂と貧しい人々のギャップはギャップとして、ひしめきあって生きている土地の人々の逞しさに感動し、面白がっているのではなかろうか。(鹿取)


      (レポート)(2008年10月)
 スペインの青空とのギャップ、種々の民族を抱えているスペインの特徴がよく表れていると思います。聖と俗、富と貧、醜と美、古びた小路から見えた大聖堂の対比にドラマを感じます。(N・I)