かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

鉄格子から解放されました

2014年01月23日 | 日記


 修繕の足場が外された。
昨日はベランダに工事の人の影が行き交い、話し声が聞こえるので、終日カーテンを閉めて息を殺していたのだが、今朝、やっと鉄格子から解放された。4ヶ月ほど洗濯物も自由に干せず、うっとうしい思いをしたので、まずは嬉しい。もっとも玄関側の足場は残っていて、ドアのすぐ外では今も何やら大きな音がしている。

 ところで認知症の症状が出始めた母が、しばしば多量の野菜類を送ってくる。息子は忙しくてほとんど家に戻らないし、娘はダイエットで私の料理はほとんど食べないから、私一人が食べられる分量だけ送ってというが、これは全く通じない。

 今月初め、お餅や野菜類が大量に届いた。人参、干し柿、とろろ芋、柚子、土生姜は短歌教室や源氏の会、校正室などに持参して皆さんに貰っていただいた。5個もあった大振りの聖護院大根はべっこう煮にして源氏の会に持参、残りは他の野菜も添えて工事の人に差し上げた。白菜、キャベツ、菠薐草、蕪、牛蒡、ジャガイモは何とか料理した。届いた時点で既に駄目そうな南瓜と梨は目を瞑って棄てた。お餅も、見かけは何でもないが食べると黴臭くなってきたので半分ほど棄てた。



 そして最後に残ったのがこれ!送ってきた段ボールの中にうっかり放置していたら、タマネギ15個がこんな状態になっていた。とりあえず芽だけを残して水を張った器に移した。(写真は昨日食べた残り)

 ネットで調べるとタマネギの芽のレシピがたくさん出ていたので、昨夜はいちばん簡単そうな肉巻きにしてみた。レシピは牛の薄切りに巻いていたが、手元の豚うすぎりを使った。肉に塩こしょうして束にしたタマネギの芽を巻いて焼くだけ。芽が色鮮やかで美しくできあがった。お味は、たぶん美味しいのだろうが、芽の中が普通の葱よりねっとりしていて私はちょっと苦手。ポン酢をかけていただくと少しさっぱりするだろうか。

渡辺松男の一首鑑賞  60

2014年01月23日 | 短歌一首鑑賞
          【『精神現象学』】『寒気氾濫』(1997年)41頁
                           参加者:崎尾廣子、鈴木良明、渡部慧子、鹿取未放
                            レポーター:鈴木良明
                           司会と記録:鹿取 未放


94 超高層のカーテンウォールのとの曇り求愛飛翔の鳥を見ぬなり

(レポート)(2014年1月)
 ここでもランドマークタワーの超高層ビルを詠んでいる。あまりに高いので壁面が霞んで見えるのを、「カーテンウォール(帳壁)のとの曇り」と詠み、「求愛飛翔の鳥」をうまく導き出している。高いものを見ると山や樹木のように思い、そこを翔る鳥のことを思ってしまう、作者はやはり山人である。


(記録)(2014年1月)
 ★「見ぬなり」って否定しているんだけれども、言葉として 「求愛飛翔の鳥」って言っちゃってい
  るので、読者は一瞬求愛のために飛翔していく鳥をイメージしますよね。作者は鳥がいないことに
  代表させて無機質な都市の殺伐感を言いたいのでしょうけれど、かえってか、意図してか抒情的な
  歌になっている。カーテンウォールという言葉もいいですね。辞書的には「建築物で、構造上の荷
  重を支えない壁。総ガラスの壁やパネルの外壁などをいう」とありますが、装飾用のものというこ
  とでしょうか。全体にことばが緊密でイメージがうまく繋がっていて、いいなあと思います。
    (鹿取)
 ★カーテンウォールのとの曇り」と生命というものがそぐわないから、こういう表現になっているの
  かなと思いました。(慧子)
 ★単なる鳥ではなく、求愛飛翔の鳥というところが大事なんでしょうね。(鈴木)
 ★生殖、命を繋ぐってことがここには無いということですね。(鹿取)